自粛で悪化する「腰痛」「ひざ痛」 自宅でできる「セルフ矯正」とは?
セルフケアの方法は
それでは早速、このタイプの腰痛を改善するためのセルフケアを紹介していきましょう。
まず、うつ伏せになったら、左右の手を頭の横ぐらいの位置に置いてください。(1- A)。その体勢から腕を立てて、上半身を反らします(1- B)。続いて、そのまま腕を伸ばしきってください(1-C)。
この動作は腰を逆反りさせることが目的で、恥骨が床面に強く当たるように意識すると、腰をしっかり反らすことができます。
このような体勢をとると、自分の腰がいかに詰まってしまっているか、実感できると思います。しかし、腰を反らしていくと、詰まった感じが徐々に解消していくのを、感じとれるのではないでしょうか。
腰を反らしきったままの姿勢を、1分ほど維持してみてください。1分続けるのがきついという方は、30秒ずつ2回に分けても構いません。とにかく、こうしているだけで、腰は明らかにラクになるはずです。
なぜ腰がみるみるラクになるのかというと、このセルフケアによって、後傾してしまっている骨盤を、正しい位置に矯正できるからです。これは骨盤についているクセを解消できて、副作用はなにもないエクササイズなのです。
しかし、腰を反らすのがつらい人、そもそも、がんばっても腰が反らないという人もいるでしょう。その場合は、座布団やクッションなどの上に腕を置いても結構です(1-D)。このようにすれば、あまり力を入れずに、同様の効果を得ることができます。
右の骨盤が上がっている
さて、もうひとつのタイプは、体に左右差が生じるために起きる、言い換えれば、体の重心が偏るせいで発生する腰痛です。
いきなり左右差と言われても、ピンとこないかもしれません。しかし、人は誰でも体の左右どちらかに、より重心をかけているもので、体重を左右に均等に分散させている人は、まずいません。そして圧倒的多数が、体の左に重心をかけて行動しています。
余談になりますが、それは地球の自転の影響だという見方があります。浴槽のお湯を抜くと最後に渦ができますが、あれは自転の影響だといわれます。人間の体も60%以上は水分なので、自転の影響を受けてもおかしくありません。とにかく、事実として、体の左側に多くの体重がかかりやすいのです。
その結果、体の片側への負担が大きくなると、体重がかかっていない側の筋肉にこりが生じてしまいます。それは、骨盤から頭蓋骨まで延びて背骨を支えている、脊柱起立筋と呼ばれる筋肉です。片側の脊柱起立筋がこって縮みが生じると、縮んだ側の骨盤が上がってしまいます。
片側といっても、ほとんどの人は右側の脊柱起立筋がこって、右の骨盤が上がってしまうわけですが、その結果として骨盤の上部が詰まってしまい、痛みが生じるのです。
身体の右側の出っ張った骨をケアする方法
ですから、一日を終えたとき、多くの人は右側の脊柱起立筋に力がかかり続けた結果として(ごく少数の人は左側に力がかかりますが)、体の右側のほうが、骨が出っ張ってしまっています。それを矯正するために、セルフケアを進めていきましょう。
まず、肩幅くらいに足を開いて立ったら、両方の手を腰に当ててください(2-A)。そのとき、それぞれ手を当てる位置は、腰骨の上です(2- A′)。親指が腰にめり込むようにしてみてください。
次に、立って腰に手を当てたまま、腰を前に突き出します(2-B)。恥骨を突き出すようなイメージです。そのとき体を後傾させずに、腰だけを前に出すように意識してください。
腰を突き出した体勢のまま、手で上から腰を押し下げながら、上半身を右に倒していきます。そこから腰をさらに前に出し、体をいっそう右に傾けたら、30秒ほどがまんしてみてください(2- C)。
こうすると、親指がどんどん腰に食い込んで、上がってしまっている右の骨盤が矯正されます。
同じエクササイズを左右両方にやったら、手ごたえがあった側、痛みがより強い側に対して、もう1回やってください。
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