視力0.6のイチローが球を打てる理由とは? 「ボールの右側を見る」発言の真意(小林信也)

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 鈴木誠也が期待以上のMLBデビューを飾った。大谷翔平も粘り強い打撃を見せている。彼らの好不調のたびに、なぜ打てるのか、なぜ打てないのかが今季も話題になるだろう。たいていはタイミングの取り方、グリップや足腰の使い方に注目が集まる。

 だが私はある時期から、外側から目に見える動きはあまり大きな要素ではない、と感じるようになった。投球を捉える核心はもっと別の、目に見えないどこかにある。そう思わせてくれた打者の一人がイチローだ。

 プロ入り3年目の1994年、彗星のように現れ1軍でヒットを量産し始めた当初、イチローを飾る形容詞は「振り子打法」だった。...

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