議論沸騰【共同親権問題】“私の初孫はある日突然姿を消した”

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パパのお家に帰ったらいけないの?

「向こうの弁護士さんが厳しく制限をかけてきて、結局今はどこでどんな生活をしているのか、ちゃんと学校に通えているのか、全くわからない状態です。あまりにも心配で、何か手がかりはないかと、息子と一緒に、綾子さんのご実家にも伺ったのですが、チャイムを押すも返事がなく、それどころか警察がやってきて、それ以上は何もできませんでした」

 と悲嘆に暮れる喜代美さん。

「息子と綾子さんの間に何があったのか、それは二人の問題ですので、私が口を挟むべきではないし、二人で解決すべきことだとは思います。ただ、真央ちゃんには真央ちゃんの生活、人生があったわけで、それを大人の都合で、突然ぐちゃぐちゃに変えてしまうことが、果たしていいことなのか。最後にあった時に、『なんで(綾子さんと住む家に)帰らないといけないの?パパのお家に帰ったらいけないの?』と聞いてきた真央ちゃんの顔が、忘れられません」

 このケースでも、仮に喜代美さんの息子が、妻子の居場所を突き止めて真央ちゃんを連れ戻せば、「誘拐」と判断される危険性がある。

なお、「連れ戻し」のみを「誘拐」として判断する不合理な取扱いについては、「共同養育支援議員連盟」においても問題視され、2月3日の議連総会において柴山昌彦議員が警察庁に確認をしたところ、警察庁は「子の連れ去り」であるか、「子の連れ戻し」であるかを問わず、未成年者略取誘拐罪にあたることを明言し、2月21日付け「配偶者間における子の養育等を巡る事案に対する適切な対応について」と題する事務連絡を発出し、全国の警察に適切な取り扱いを徹底するよう連絡がなされるなど、改善の動きは出てきているが、問題の解決には至っていない。

共同親権制導入の可否とともに、こうした案件についても、法の適切な執行の徹底や関連問題についての法整備を含めた議論が待たれる。

デイリー新潮編集部

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