ポスト「鬼滅」の大本命 「SPY×FAMILY」大ヒットに導いた“ワクワク”させる大仕掛け
この4月から放送が始まったTVアニメシリーズ『SPY×FAMILY』が大人気だ。放送開始後、配信ランキング(GEM Partners)でたちまち総合1位を獲得。Twitterの公式アカウントのフォロワーも急増中で、すでに67万人(5月中旬時点)を超える。原作コミックの累計発行部数は最新9巻までで1800万部を突破した。大ヒットの裏側に隠された“心躍る”仕掛けとは――。【数土直志/ジャーナリスト】
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まずは架空の国、時代を舞台にしたアクションコメディとキャッチーな設定がウケている。東国と西国が長い冷戦を続ける時代、敏腕スパイ<黄昏>は精神科医ロイド・フォージャーとなり、西国で偽装の家族を演じることに。かりそめの妻・ヨルの“本職”は殺し屋で、「ワクワク!」が決めゼリフの娘のアーニャは超能力者だ。3人は互いの正体を隠しつつ、ともに暮らすことになるのだが、ポップな絵柄に笑いを交えたテンポの良さが際立っている。
現在、アニメ業界を舞台にした『ハケンアニメ!』という映画が公開されている。タイトルの由来は、シーズンで一番人気のアニメを「ハケン(覇権)」と呼ぶことに由来するが、2022年4月期の「ハケンアニメ」を選ぶとすれば、『SPY×FAMILY』が相応しい。人気に加え、映像クオリティの高さ、関連企画の多さもまさに今シーズンの「代表作」の趣である。
本作の人気の秘密はどこにあるのだろうか。ひとつは原作の強さだ。著者・遠藤達哉が連載するマンガアプリ「少年ジャンプ+」は、集英社の少年ジャンプ編集部が運営。月間アクティブユーザー数が500万人を超え、国内マンガ業界で大旋風を巻き起こしている。その「少年ジャンプ+」の人気ランキング1位に輝き、同アプリで最もヒットした作品こそ『SPY×FAMILY』なのだ。
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