若手投手が次々台頭…他球団が驚く「巨人のドラフト戦略」と桑田真澄のコーチ術
桑田コーチの“覚悟”
そして、もうひとつ理由は、現場の体制ではないだろうか。巨人の球団関係者は、昨年から就任した桑田真澄コーチの存在を挙げている。
「やっぱり桑田さんがコーチになったことが大きいですよね。去年は1年目で宮本(和知)さんが上にいたので、少し様子を見ながら……という感じでしたけど、今年はチーフになって、原(辰徳)監督からも全面的に投手陣を任せられているので、思い切った抜擢がしやすくなったと思います。選手との対話を凄く重視していて、押し付けているような感じもしない。桑田さんは実績があるだけでなく、いろんな事を勉強してきて論理的に話をするので、選手も納得感があるのではないでしょうか。また、選手だけではなく、他のスタッフとも上手く連携していると聞きます。原監督も去年、コーチングスタッフが決まった後に桑田さんを招聘したというのは、それだけの危機感があったでしょうし、桑田さん自身も、それをくみ取って投手陣を変えようとしています」(巨人球団関係者)
今年から投手チーフコーチになったこともあって、試合中にマウンドに行く姿も多く見られ、またベンチに戻ってきた投手と長く話し込むことも珍しくない。いくら好素材の若手とはいえ、実績がない投手をこれだけ起用しているというのも、桑田コーチの“覚悟”が感じられる。
一方で、現在のチーム防御率は、リーグ5位と決して褒められた数字ではなく、特に与四球は12球団でワーストだ。未完成な投手を多く起用しているがゆえの“弊害”が出ていることも事実である。原監督、桑田コーチが今後、V奪還に向けて、どのような投手起用をしていくのか、今シーズンの巨人を占ううえで、非常に重要な注目ポイントとなる。
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