「AV対策法案」に業界寄りと批判噴出 塩村文夏議員が「魔女狩りだ」と激怒したワケ
今国会で超党派の議員たちが成立を目指している「AV新法」は、アダルトビデオ(AV)への出演被害を防止するため、撮影から一定期間は契約解除が可能となる法案だ。だが、同法案をめぐり、国会提出一歩前で、「仲間割れ」が起きる異常事態となっている。この問題で、ひときわ目立ってきた立憲民主党の参議院議員・塩村文夏氏に対する“個人攻撃”まで起きているというのだ。当人も自分を指して「魔女狩りだ!」と騒ぎ出し……。
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【画像】「魔女だと焚き付けて火炙りにしようとする」。自らを“魔女”に例えた塩村氏のTwitter投稿
私は魔女のように黒髪
〈煽動は本当に恐ろしい。この人は魔女だと焚き付けて火炙りにしようとする。私は女性で魔女のように黒髪。だからみんな信じてしまう〉
〈騒いでいる人は本当に法案の中身や立法趣旨、限界を理解しているのか。画期的救済法が発表以前に一部の人の煽動により、とんでもないレッテル貼りされた〉
5月15日、塩村氏は自らを「魔女」と表現し、Twitterに感情的な文章を投稿した。いったい、何が起きているというのか。
まずは、これまでの流れからおさらいしたい。新法が動き出すきっかけとなったのは、今年4月に始まった「成人年齢の18歳への引き下げ」である。
これまでもAV出演契約は18歳から可能だったが、未成年者が親の同意なく契約した場合は、民法で規定された「未成年者取消権」が行使できた。4月以降は18歳と19歳が成人とみなされ、取消権が行使できなくなっている状態だ。
施行直前、それに待ったをかけたのが、NPO団体「ぱっぷす」などAV出演被害者の支援団体である。「女子高生AV女優が誕生してしまう」などと訴え、18歳と19歳の取消権復活を訴え始めたのだ。国会でも塩村氏などを中心に議論されたが、結局、見送られた。
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