日テレ「悪女」に敗れたフジ「ナンバMG5」 “新戦略”失敗で早くも出始めた悪影響とは
勝利の方程式
「後にフジテレビの社長となる亀山千広さんがプロデューサーを務めたドラマ『踊る大捜査線』の映画化でした。亀山さんが何本も映画をヒットさせたことで道筋ができ、最近でも山下智久と新垣結衣の『劇場版コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―』や窪田正孝の『劇場版ラジエーションハウス』、長澤まさみの『コンフィデンスマンJP』シリーズといった勝利の方程式がある。今年9月公開予定の福山雅治・主演『沈黙のパレード』だって、元々は07年に放送されたドラマ『ガリレオ』シリーズの映画化第3弾です。これを見ても分かる通り、ヒットしたドラマであるかどうかが重視されるのです」
結局、「ナンバMG5」の映画化の話は立ち消え状態だという。
「映画化の可能性ありという話があったから、新しいドラマ枠でも仕事を受けたという事務所も少なくないようです。初めてのドラマ枠でコケたら俳優の名に傷が付くという不安がある一方で、映画化されればギャラも跳ね上がりますからね。『映画化の話はどうなるんだ!』という声は、主演以外のマネージャーから出ているそうです」
実際、前例もあったため、余計に揉めているようだ。
白紙化の前例
「15年にフジ系で放送された関テレ制作の消防団を題材にしたドラマ『HEAT』は、初回放送前に異例の映画化発表を行いました。しかし、平均4・1%という低視聴率だったため、ドラマ終了後に映画化が白紙になったことを関テレの社長が発表。この一件以来、大げさに映画化を発表しないことになりましたが、ドラマプロデューサーが主演をキャスティングするために“映画化”も併せてプレゼンすることは少なくありません。『ナンバMG5』も4%台を出しているので、映画化などと言っている場合ではないのでしょう」
さらに問題なのは、今後の水曜夜10時のドラマ枠だという。
「俳優の所属事務所も、人気のドラマ枠であれば出演させたいが、数字の取りにくい枠には出演させたがりません。ましてや初っぱなで低視聴率を出してしまった新しいドラマ枠ですから、なおさら不利になります。早くも今年10月や来年1月スタートのキャスティングが難航していると聞きます」