令和でも「宴会コンパニオン」として生きる29歳の告白 “AV出演を強要された”と言うものの…

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モデルという話も……

 では、AVを“回避”して始めたイメージビデオの仕事とはなんなのか――現在の職業を尋ねると、萌絵は「モデル」と言い切る。また、心の中でため息をついた。最近の「モデル」のカテゴリーはかなり広い。街角スナップでたまたま写真を撮られ、雑誌の片隅でもユーチューブに少し出ただけで「職業・モデル」と答える女が少なくない。その感覚には私は慣れない。

 案の定、萌絵の「モデル」というのは着エロ、きわめて裸に近いセミヌードの仕事だった。芸名で検索をすれば、一応、電子版の写真集がヒットする。

「DVDもこれまで3本が発売されています。発売記念撮影会も予定されていたのですが、コロナでお客さまがきてくれなくて中止。ギャラ?完全歩合だから、って。やっと先日5000円が入金されました」

 今後、定期的にお金が入金されると萌絵は信じているのだろう。しかし、私はそうは思わない。今はAVもイメージビデオもほとんど売れない。ネットには凄い量の無料のアダルトコンテンツが転がっているからだ。おそらくこの5000円が、彼女がモデルとして受け取る最後のギャラになるのではないか。

宴会コンパニオン ギャラ飲みではダメなのか?

「モデル」としては食べていけない萌絵はいま「宴会コンパニオン」の仕事を中心に、メンズエステ、脚フェチマニア向けの風俗店に月1日のペースで出勤し、たまにパパ活をして生活している。月の家賃が4万5000円の鍵付きシェアハウスに暮らしているが、家賃が6~7万円で渋谷から駅2つのひとり暮らしできる部屋を探している最中なのだという。

 メンズエステ、脚フェチの店では週1回、12時間も待機して1万5千円から2万円弱しか稼げない。主な収入源はコンパニオンの仕事で、2時間の拘束で1万5000円「から」稼げるという。平均月収は15、6万円ぐらいだそうだ。

 宴会コンパニオンとは、観光地で宿泊客にお酌する「温泉コンパニオン」とほとんど同じらしい。東京にもそんな仕事があることを初めて知ったが、地方から出張してきた男性たちや、泊りがけの飲み会などで需要があるのだという。

 さきほど収入を「1万5000円から」としたのは、コンパニオンではチップが稼げるからだ。最高で10万円をもらったことがあると萌絵は胸を張る。出身地である四国地方から彼女が上京してきたのはおよそ4年前のことだが、高校を卒業してから地元の温泉街でコンパニオンをしていた。つまりその道10年のベテランだ。上京も「東京でもコンパニオンの仕事ができる」と知り、後押しになったという。

「私って、毎日決まったことをする仕事は合わないようなんです。コンパニオンの仕事は自分の都合と気分で行く行かないを決められるから」

 コンパニオンの派遣会社に登録したうえで、依頼があれば現地に赴くという仕組み。私も10代の頃に年齢を誤魔化して地元・福島県の温泉街でコンパニオンのバイトをやっていたから、萌絵のいう“気楽さ”はわからないでもない。キャバクラのようなノルマもなく、風俗のような過剰なサービスも求められないからだ。

 とはいえ、歓迎会や忘年会などの催し事がないと成り立たない仕事である。経費も削減される昨今、コンパニオンの需要があるというのは驚かされる。なにより東京では「ギャラ飲み」という、コンパニオンに取って代わるサービスが横行している。疑問をぶつけると「私もギャラ飲みはやっています」との返事が返ってきた。

「ただ、ギャラ飲みって結構ハードルが高いんです。募集の専用LINEグループに登録して、いい案件があればエントリーするわけですが、なかなか通過しない。一度行ったお客さんでも、なかなかリピートに至らない。それだったらコンパニオンのほうが、まだ確実に仕事を振ってもらえるんです」

 ちなみに萌絵は機会があればパパ活もする。オトナは3万円から、だそうだ。しかし「タイプの『田中圭』系のイケメンだったらお金は関係ないです」。趣味なのかお金を稼ぎたいのか……プロの“売る女”という意識は、やはり低い。

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