戦後、徴用工の未払い賃金を回収した「朝連」 労働者に返還されず政治資金に転用?
死亡者、傷病者への賠償、債務の履行を要求
その別記条件とは以下である。
「何某殿
要求条件(強制労働者の例)
A.綜合的情報の提供
一、朝鮮人労働者の過去五個年間の年度別使 人員数、就労場所、現在人員の本籍、氏名、年齢及び家族の氏名年齢
二、給与金、支給金、食糧、住宅、衛生その他処遇に関する状況
三、死亡、傷病、行方不明、帰国別、本籍地、氏名、年齢、原因、日時、処置その他の処遇状況」
こうした情報を提出させると同時に、死亡者、傷病者、帰国者への賠償、債務の履行を求めた。
まず死亡者については、
「一、死亡者一人に対して遺族扶助料金壱万円以上支給すること
二、会社所定の各種慰労金、弔慰金、香花料、見舞金の支給及び法による埋葬料、遺族年金の代払」
傷病者には、
「一、片足又は片手不具者に対しては五千円以上支給すること
二、手指又は足指を傷失した者に対しては壱千円以上支給すること
三、その他は程度に応じ、各々相当額の慰藉料を支給すること
四、公傷見舞金等所定の見舞金、手当金、慰労金を鄭重な見舞状を付けて送付すること
五、法令による給付金、障碍年金、障碍手当金、共済会からの交付金を即時代払
六、以後要治療者に対しては会社の負担と責任で完全な治療を施すこと」
帰国者に対しての要求
そして帰国者に対しては、こう要求している。
「一、退職金、特別退職金、慰労金の最大限支給(労務者一人当たり勤続年数一年に対して壱千円式)
二、厚生年金、天引き貯金等の即時代払
三、八月十五日終戦から帰国日(乗船後三日間)までの賃金(一日当たり八円式)、諸手当(補給金、特別補給金を含む)の支払い
四、帰国日までの衣食住の改善保障及び途中の食糧は○○駅出発日から十日間分を調達して各一人に交付を(一人一日当たり主食米穀五合式及び充分な副食品)会社で負担すること
五、帰国者が乗船する時まで会社から引率者を付けて諸般に便利を図ること
六、被服一式支給(帽子、内外衣一着ずつ、靴又は地下足袋、手袋各一点、靴下三足)
E.行方不明者の待遇
前各項を適用し適切妥当な措置を講じること」
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