毎日ワインを飲む人は認知症リスクが約5分の1に 品種、産地の選び方は?

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認知症発症リスクも低減

〈レスベラトロールには抗がんや抗糖尿病の作用があるというから驚くが、認知症に関しても、興味深い研究結果がある。それが、掲載のグラフだ。〉

 仏ボルドー大学中央病院の研究チームが、65歳以上の3777人に対して、死亡率、認知症、アルツハイマー症のリスクと、ワインの飲酒量の関係を3年間にわたって調べたものです。その結果、ワインを毎日3~4杯(375~500ml)飲んでいる人は、飲んでいない人に比べて、認知症の発症リスクが約5分の1に、アルツハイマー症の発症リスクが約4分の1に、死亡率は約30%低下していた、ということが分かったのです。

 ただ、毎日5杯(625ml)以上飲む人は飲まない人よりも死亡率が高くなっています。つまり、いくらワインが健康に良いからといって、飲みすぎは良くなく、適量にすべきだ、ということです。この実験では1日3~4杯ほどのワインが最も良い、との結果になっていますが、日本人の場合、1日1~2杯程度にとどめておくほうが健康効果があると思います。

佐藤充克(さとうみちかつ)
山梨大学ワイン科学研究センター客員教授。農学博士。東北大学農学部卒業後、メルシャン入社。メルシャン酒類研究所の所長を務め、赤ワインブームを起こした。その後、NEDOアルコール事業本部の民営化に貢献、2006年、山梨大学ワイン科学研究センター特任教授となり、ワイン人材生涯養成拠点事業を開始、山梨県ワインの高品質化に貢献した。山梨県果樹試験場客員研究員、モンデ酒造、養命酒製造、仙台秋保醸造所、南三陸ワイナリー等の顧問を歴任。20年、日本ブドウ・ワイン学会の最高賞、功績賞を受賞した。ワインおよびポリフェノールに関する論文多数。

週刊新潮 2022年5月5・12日号掲載

特別読物「日本人研究者が世界に先駆け実験『活性酸素除去能力』ランキング 飲んで長生き ワインを『健康長寿』で格付け」より

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