毎日ワインを飲む人は認知症リスクが約5分の1に 品種、産地の選び方は?

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抗酸化作用が高い熟成期間は?

〈では、赤ワインの種類や熟成期間によって、含まれるポリフェノールの量や、活性酸素を除去する能力に違いはあるのか。それを示しているのが、掲載のグラフ。佐藤氏らの研究チームが世界に先駆けて行った、ワインの活性酸素消去能(SOSA)測定結果である。〉

 この実験結果から、数あるブドウの品種の中で最もポリフェノールを多く含み、抗酸化作用も高いのがカベルネ・ソーヴィニヨンだということが分かります。活性酸素消去能が最も高かったのは、米カリフォルニア・ナパバレーにある「マーカム」という生産者の83年産のカベルネ・ソーヴィニヨンでした。次いでネッビオーロというブドウを使って作られるイタリアの高級ワイン、バローロ。その次は南米チリで生産されたカベルネ・ソーヴィニヨン、という結果になっています。同じ銘柄で製造年の違いを見ると、熟成期間が少し長い方が活性酸素消去能が高い傾向が見られました。最も抗酸化作用が高まるのは熟成が始まって5年がたった頃で、その後は緩やかに効果が下がります。

おすすめは「チリ産」

〈カベルネ・ソーヴィニヨンは最もポピュラーなブドウ品種の一つである。例えば、皇居で開かれる宮中晩餐会で振る舞われたこともある、フランス・ボルドー地区の「シャトー・ラフィット・ロートシルト」はカベルネ・ソーヴィニヨンをメインに使った最高級ワインだ。ただし、フランスやイタリアなどのワインはブドウの品種をラベルなどに表記していないことが多い。一方、アメリカやチリなどのワインはラベルにCabernet Sauvignonと書いてあるケースが多く、ワイン初心者にとっては分かりやすい。〉

 実験結果を見ると、ボルドー産のワインも結構上の方に来ていますが、値段が高いのが難点。値段が安くて抗酸化作用も高い、チリ産のカベルネ・ソーヴィニヨンの赤ワインがおすすめです。ブドウの品種を覚えるのが面倒な方は、赤ワインの色を見るだけでもある程度の判断は可能です。色が濃いワインのほうが抗酸化作用が高い傾向にあります。ちなみに私が普段よく飲んでいるのも、チリのお買い得なワインです。

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