毎日ワインを飲む人は認知症リスクが約5分の1に 品種、産地の選び方は?

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「白ワインのポリフェノールは体に吸収されやすい」「濃い色の赤ワインのほうが抗酸化作用が高い」――ほんの少しの知識を身に付けるだけで、買い方も飲み方も変わる。「ワインと健康」研究の第一人者、佐藤充克氏による、目からうろこの「ワイン講座」。【佐藤充克/山梨大学ワイン科学研究センター客員教授】

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〈ワインといえば、「他の酒に比べて健康に良さそう」とのイメージが定着しているが、その健康効果について詳しく把握している人はそれほど多くないのではないか。例えば、赤ワインだけではなく、白ワインにも、実に合理的な“効果”があることはあまり知られていない。〉

白ワインの合理的な効果

 フレンチやイタリアンのコース料理を食べる際、前菜などと一緒に白ワインを飲み、コースの後半になって赤ワインを飲むことが多いと思います。実はあれは理にかなった合わせ方なのです。ワインの健康効果がポリフェノールによってもたらされることをご存じの方は多いと思います。白ワインに含まれるポリフェノールは赤ワインに比べて少ないのですが、分子量が小さい。だから体に吸収されやすく、抗酸化作用が早く現れます。

 また、コース料理の前菜には「カルパッチョ」など、生の魚介類が出てくることもありますが、白ワインには高い殺菌効果があるので理にかなっているといえるのです。「生ガキと白ワイン」も、単に“合う”というだけではなく、殺菌効果があるのでより安全に食べられる、という側面があるわけです。ちなみに、殺菌効果に関しては、白ワインの方が赤ワインより上です。

〈そう語るのは、山梨大学ワイン科学研究センター客員教授で農学博士の佐藤充克氏。ワインやポリフェノールなどに関する論文を多数発表している、「ワインと健康」研究の第一人者である。〉

赤ワインには緑茶の数倍のポリフェノールが

 白ワインと赤ワインでポリフェノールの量に差が出るのは、「作り方」が違うからです。まず、使うブドウの種類が違います。白ワインは主にシャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、リースリングや甲州などの白ブドウから作られます。一方の赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ピノ・ノワールといった黒ブドウから作られます。そして、収穫したブドウを圧搾機で搾汁し、その果汁を発酵させてできるのが白ワイン。赤ワインはブドウの実を果皮や種ごと発酵させます。ブドウのポリフェノールの多くは果皮や種に含まれているため、赤ワインの方がポリフェノールの量が多くなるのです。

 ワインの健康効果の中心にあるのがポリフェノールです。ポリフェノールには、がんなどさまざまな病の原因となる活性酸素を除去する効果、つまり抗酸化作用があることが分かっています。ごく簡単に言うと、身体が錆びるのを防いでくれる、ということです。ワインに含まれる代表的なポリフェノールはアントシアニンやカテキンなどで、赤ワインには緑茶の2倍~数倍のポリフェノールが含まれることが分かっています。

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