「アンドレの靴下も作ってあげて」 ジャイアント馬場とアンドレ・ザ・ジャイアントの絆を物語る逸話(小林信也)

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 野球の夢を奪われた馬場正平の元に周囲からさまざまな誘いがかかった。例えば、キャバレーのドアマン。これは用心棒兼「客寄せ役」だった。映画俳優の誘いはおそらく悪役の想定だろうと馬場は思った。いずれも、野球で活躍できなかった悔しさや後ろめたさを払拭できる道ではない。そんな時、馬場の頭に力道山の言葉が浮かんだ。

「早く野球をやめて俺のところにこい」

 2年前のオフ、巨人軍創設25周年の集いにゲストで来た力道山が馬場を見て声をかけたのだ。ふと思い立って馬場は、日本橋浪花町のプロレスセンターに力道山を訪ねた。...

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