セクハラ発言で批判を呼ぶ「前田日明」「高嶋政宏」 2人の炎上に見る共通点
3月21日放送の「午前0時の森」(日本テレビ)に出演した元プロレスラーの前田日明が、グラビアアイドルにセクハラ発言を連発して、視聴者から批判の声が殺到した。
女性の容姿を「牛かカバみたい」などと動物にたとえただけでなく、民族差別的な表現も使っていたため、日本テレビ側もこれを重く受け止め、番組ホームページでは謝罪文が掲載された。
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また、4月にスタートしたフジテレビの昼の情報番組「ポップUP!」では、木曜パーソナリティを務める俳優の高嶋政宏の発言がたびたび波紋を呼んでいた。著書『変態紳士』などでSM趣味を告白したことで知られる彼は、一時期はバラエティ番組でも変態キャラをアピールして面白がられていた。
だが、「ポップUP!」ではそんな変態キャラが空回りしていて、女性共演者への行き過ぎた下ネタ発言がセクハラとして視聴者に批判されることが多かった。最近では舞台公演中であることを理由に、パーソナリティであるにもかかわらず番組を欠席している。炎上リスクのある彼は、このままフェードアウトしてしまう可能性もささやかれている。
2つの炎上の共通点は…
この2つの炎上騒動には共通点がある。それは、最近のテレビに慣れていない人物が引き起こした問題であるということだ。前田はそもそもテレビに出ること自体がほとんどないし、高嶋もバラエティ系の番組にはそこまで多く出ているわけではない。彼らの経験不足こそが、視聴者との感覚のズレを生んでしまった最大の理由である。
現代のバラエティ番組は、特定のルールのもとで出演者がやり取りを進めていく高度に制御された空間である。そこでは、番組の性質や放送枠や司会者に応じて「言ってはいけないこと」が定められていて、その地雷を踏むことは絶対に許されない。
これは「バラエティ番組では出演者は台本通りのやり取りをしなければいけない」という意味ではない。むしろ、一般的なバラエティ番組では、世間で思われているよりも台本通りのやり取りというのは少なく、出演者はその場の空気に応じて、臨機応変に発言をしている。
だが、だからといって何でも言っていいということではなく、その中で言わなければいけないことや言ってはいけないことが定められているのである。
ただ、ここで注意すべきは、はっきりと目に見える形でルールが存在するわけではない、ということだ。ルールは番組によって変わるし、時代によっても変わる。出演者は、時代の空気を読み、その場の空気を読んで、自分が想定するルールの範囲内で自由に振る舞う必要がある。
これはかなり神経を使う作業である。ずっとテレビに出ているような売れっ子のタレントや芸人は、当たり前のようにこれをやっている。だからこそ、彼らは致命的な失言をしたり、場が凍りつくような行動に出たりすることがほとんどないのだ。
この微調整は、普段からテレビに出ていないとなかなかできるものではない。前田のケースでは、番組が生放送だったというのも致命的だった。収録の番組であれば、行き過ぎた発言はあとからカットすることができたはずだ。
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