【追悼】上島竜兵さん 大御所に愛され、後輩から慕われたリアクション芸人が語っていた「他力本願」の真意

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救世主が現れるんですよ

 お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵さんの突然の訃報に、芸人仲間だけでなく、親交のあった俳優やミュージシャンからも相次いで追悼の言葉が寄せられている。

 体を張ったリアクション芸のパイオニアとして一世を風靡し、浮き沈みの激しい芸能界でおよそ35年にわたって活躍し続けてこられたのは、無論、誰からも愛される上島さんの人柄あってのことだ。

 昨年1月に還暦を迎えた上島さんは、1985年にダチョウ倶楽部を結成。その後、87年に上島さんと肥後克広、寺門ジモンという不動のトリオが誕生する。「ヤー!」「聞いてないよォ」「訴えてやる!」といったギャグはもちろんのこと、熱湯風呂を前に「押すなよ! 押すなよ!」と叫ぶ上島さんの姿は誰もが知るところだろう。

 そんな“誰もが知る”人気芸人が、過去のインタビュー記事で何度となく繰り返していた言葉ある。それが「他力本願」だ。ちなみに、2010年に刊行された自著のタイトルも『人生他力本願』(河出書房新社)。照れ隠しにも映るその言葉には、常に「周囲に恵まれていた」という上島さんの謙虚な思いが見え隠れする。

〈志村さんにしても、メンバーにしても、後輩にしても、スタッフにしても、本当に恵まれていると思います。たけしさんもそう。ちょっと「これが精いっぱいかな、苦しくなるかな」ってときに、救世主が現れるんですよ。僕の場合は本当に「他力本願」ですから〉(「週刊大衆」2011年12月12日号より)

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