JBC裁判で勝訴の「亀田興毅」が怒りの激白 「親父のライセンス復活とバーターに賠償金の減額を求められた」

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たらい回しの末、棚上げに

 ライセンスを取り消された史郎氏は、12年にわたって表舞台から遠ざかったままだが、実は、興毅氏は父親の復活に向けて水面下で動いていたという。

「世間からどう見られようと、自分たちにしてみれば世界一の親父だし、処分から10年以上経っていますからね。去年の8月、JBCに親父のライセンス復活について問い合わせたところ、JBC側からは“協会(日本プロボクシング協会)の推薦状をもらってきてほしい”と告げられたんです。ライセンスの発行・停止はJBCの管轄なのに、どうして協会の推薦状が必要なのか疑問に思いました。とはいえ、事を荒立てたくなかったので協会幹部に相談すると、“亀田君はいまJBCと裁判中だから対応できない”。自分たちの裁判と親父は直接的な関係はありませんが、その言葉に従い、判決後の今年3月に改めて話をしました」

 結果、協会からの推薦をもらえる運びとなったそうだが、

「代わりに誓約書にサインを求められました。そこには、今後、親父のルール違反が発覚した際には、“あらゆる処分を受け入れ、その処分に対して一切、不服申し立てを致しません”という項目が盛り込まれていた。正直、ここまで厳しい制約を課されたのには驚きました……。JBC自体の規則では、処分に対する不服申立制度が定められています。それなのに、制度で認められた権利を予め放棄しなくてはならない誓約を強要されるのは、新たなJBCの“違法行為”なのではないかとも思いましたが、とにかく事を荒立てずにJBCに話を通してもらうことに。しかし、その後になって“JBCは清算法人なので、いまはライセンスの発行ができない”と言われてしまい……」

 つまり、興毅氏からすれば、父親のライセンス復活はJBCと協会の間でたらい回しにされた挙句、棚上げになっていた案件ということになる。それにもかかわらず、

「いざ敗訴が確定すると、親父のライセンス復活とバーターで賠償金の減額を持ちかけてきた。ライセンスの承認はJBCの管轄なので、JBCの意向がなければ三井不動産側がそんな条件を提示できるわけがないと思います。そもそも、JBCの規則に従って判断されるべきライセンスの復活を、裁判所が“違法行為”を認めたことで生じた賠償金の減額と“バーター取引”するよう水面下で裏交渉を持ちかけるのは、コンプライアンス的にも問題ではないでしょうか」

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