プーチンはいつどこで狂った? インタビューから読み解く「少年時代のコンプレックス」

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プーチンが語った自らの“定め”

 先に触れたオリバー・ストーン監督のドキュメンタリーには、次のようなやり取りが収められている。

監督〈3期目の大統領で暗殺計画は通算5回? カストロは50回ほど命を狙われたはずだ〉

プーチン〈カストロとその話をした。彼いわく生き延びてきた理由はこうだ。「自分で身の安全を守ってきたから」。だが私の場合は自分の仕事に専念し警護はプロに任せている。よくやってくれているよ〉

監督〈警護があなたの信頼に応えていると?〉

プーチン〈そうだ〉

監督〈暗殺の王道は大統領の警護の内部に入り込むことだ〉

プーチン〈承知だ。ロシアにはことわざがある。「絞首刑になる定めなら溺死しない」〉

監督〈あなたの定めは何です?〉

プーチン〈我々の運命は神のみぞ知る〉

監督〈安らかな死?〉

プーチン〈誰もがいずれは死を迎える。問題はかりそめの世で何を成し遂げたか。そして人生を謳歌したか〉

 彼がかりそめの世で何を成しているか。我々は今、それを目撃している。

週刊新潮 2022年5月5・12日号掲載

特集「本人インタビューから読み解く 『プーチン』はいつどこで狂ったのか」より

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