ヤクルトのエースに憧れ、海を越えたパラグアイの日系二世…独立リーグ・高知が描く“未来図”

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“文武両道プラン”

 迷いなく日本行きを決断したという二口を、両親も後押ししてくれたという。その周囲の期待の中に「教育」という支えがあることは見逃せない。

 監督や両親からは、独立リーグからNPBに進めなかったとしても、日本語をマスターして、野球やスポーツビジネスの勉強もして、パラグアイにそうした知識を還元してほしいという希望も告げられているという。

 実は、龍馬学園が運営する3校のうち「龍馬看護ふくし専門学校」の中に、2023年度から「スポーツ健康学科」を設けることになっている。ここで、野球やサッカーのプロクラブの経営、スポーツビジネスの専門知識を学ぶことができる。二口のように、パラグアイで「高校卒業」も果たしており「漢字はまだ得意じゃないです」とはいうものの、日本語のベースもある程度できている。独立リーグの練習生としてプレーしながら、日本語検定2級の取得を目指すことは、決して難しいことではない。

 日本にやって来るための“入り口”は「野球」であっても、将来的な「教育」の選択肢を備えてくれていることで、10代の若者を異国へ送り出す側も、ある程度安心できるのだ。

 高知球団で野球以外の事業を統括する責任者の北古味潤は、龍馬学園の「グローバルプロジェクト推進室室長」も務めている。独立リーグと日本語教育の融合を図ることで、二口のような夢を持つ若い外国人たちに、高知へ目を向けさせるための“吸引力”として「凄いマーケットになってくるかもしれない」とにらんでいる。

 そのために、独立リーグには野球の実力を伸ばすための「アカデミー」を作り、龍馬学園で日本語を学ぶ“文武両道プラン”を整備していくことを考えている。

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