戦後日本で優遇されて勢力を拡大した「在日本朝鮮人連盟」 預金封鎖をされない特例措置

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朝鮮人への特例

 この預金封鎖は2年も続くことになるが、一連の金融政策で政府は貨幣流通量を減らして極度なインフレを抑えるとともに、国民の財産を把握、財産税の導入を図った。家族や財産を失い、わずかな配給で飢えをしのぐ国民に、帝国政府は預金封鎖と重税を課し、追い打ちをかけたのである。

 だが朝鮮人は、特別の扱いを受けていた。

 公安調査庁の坪井豊吉の『在日朝鮮人運動の概況』によると、朝連は預金封鎖を受けて大蔵大臣宛に「現金預金等支払許可申請」を提出している。

「二十年三月現在の在日朝鮮人の第一、二封鎖預金は約三億円に達していた。そこで朝連では、五月九日大蔵大臣あて『現金預金等支払許可申請』を出している。そのなかには、本部と地方組織の支払分一ヵ月使用予算支出のためとして、内訳朝連二千万円、建設同盟百万円、青年同盟四十万円、商工会二十万円となっている」

封鎖された旧円の預金を現在の貨幣価値に換算すると

 ちなみに「建設同盟」は朝連に属しておらず、「青年同盟」は架空の組織である。

 田駿の『朝総連研究』にも、ほぼ同様の記述がある。

「総司令部は占領と同時に預金封鎖を実施した。これにより旧円の預金は封鎖され、この時在日韓人関係の封鎖額は約三億円と推計された。朝連は一九四六年五月五日に大蔵大臣に『現金預金等支払許可申請』を提出した。この申請書の内容は、本部および地方組織の支払分一ヶ月使用予算として、朝連二千万円、建同百万円、建青四十万円、商工会二十万円となっていた。これは封鎖された預金を朝連名義で特別に引出せるということであった。事実上このような特典を利用して在日韓人は朝連に預金引出しを委任し、この時朝連が建同と建青組織の名義まで借りたことは、秘密裡にその名義を盗用したためであった」

 封鎖された旧円の預金の3億円は、現在の貨幣価値に換算すると、2400億円ほどになる。また朝連が5月に大蔵大臣に提出した現金預金等支払許可申請額の合計額を換算すれば、172億8千万円である。

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