絵本作家・ヨシタケシンスケが語る「子供も楽しめる展覧会」を開催する理由

エンタメ

  • ブックマーク

「職場でこっそり愚痴とともに小さな落書きを」

 世界的な絵本作家・ヨシタケシンスケ氏の個展が、東京・世田谷文学館で開催されている。膨大なスケッチや絵本の原案、原画などの平面作品のほか、体験しながら楽しめる展示品も多い今回の個展。ヨシタケ氏に企画の意図を聞いてみると――。

 ***

『りんごかもしれない』『このあと どうしちゃおう』『あんなにあんなに』など数多くの絵本で絶大な人気を誇るヨシタケシンスケ氏。会場にずらりと並んだ約2千枚に上るスケッチの複製は圧巻だ。

「サラリーマン時代に、職場でこっそり愚痴とともに小さな落書きをしていて、その習慣から手帳にスケッチを残すようになりました」

 とは、ヨシタケ氏ご本人。こうしたスケッチをもとにしたエッセイ『思わず考えちゃう』は15万部を超え、第2弾『欲が出ました』も発売されるほどの好評ぶりだ。

 そのほか、立体作品や愛蔵コレクション、絵本の原案・原画も多数展示。まさに、絵本作家の頭のなかを完全再現したような会場なのだ。

「誰でも楽しめる展覧会を作りたい」

 ただ観るだけではなく、投げたり、撮ったり、動いたり、体験しながら楽しめる展示品も盛りだくさん。

「子供の頃、親に連れられて行った展覧会って“つまらないな”と思っていませんでしたか? “誰でも楽しめる展覧会を作りたい”一心で、今回は面白味ある展示を心掛けました」(同)

 同文学館では7月3日まで観覧できる。また、兵庫、広島、愛知でも順次開催が予定されているという。見れば「思わず考え」ちゃったり、創作意欲がかきたてられて「このあとどうしちゃおう」と思い、「欲が出ました」となるかもしれない。

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。