独立リーグ・高知が目指す「スポーツと教育の融合」という新たな試み

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 野球の独立リーグ、四国アイランドリーグプラスが発足したのは2005年。一時は6球団に拡大したこともあったが、高知、香川、徳島、愛媛の4球団は、リーグ発足以来のオリジナルメンバーとして、その歴史を刻み続けている。地方における地域密着のプロスポーツとしての位置づけが定着してきた今、高知は“次なるフェーズ”へ向け、地域との絆を深めるために、新たなる試みに挑もうとしている。

 地域スポーツの“新時代の幕開け”を追う4回連載。今回の第3話では、高知が目指す「スポーツと教育の融合」の仕組みと、その狙いを探っていく。

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 四国アイランドリーグプラスが発足して4年目の2008年、高知出身の前オーナー・北古味鈴太郎が、親会社不在による資金難からリーグ直属での運営が続いていた高知球団の経営を引き継いだ。

 徹底した地域密着の球団経営で、2011年に他の3球団に先駆け、リーグ初の「単年度黒字」を達成。コロナ禍前の2018年まで、4年連続で黒字を継続していた。ちなみに、第2話に登場した北古味潤は、鈴太郎の弟にあたる。

 その当時から、高知市内で専門学校を経営する「龍馬学園」は、球団スポンサーの1つとして、球団経営をバックアップしてきた。
 
 地域とともに農業に取り組んだり、越知や佐川といった高知市以外の小さな町で活動を展開してきたことで、高知での認知度が定着してきたのは間違いない。

外国人留学生の「最初の入り口」

「やっとここまできましたね」

 龍馬学園の理事長・佐竹新市は、その実感を語る。地域密着を第一フェーズとすれば、次のステップへ進めるだけの地盤が整ったというわけだ。高知出身だった佐竹の父が、1986年にコンピューターの専門学校だった龍馬学園を開校。佐竹は2代目として現在、高知市内に「龍馬情報ビジネス&フード専門学校」「龍馬デザイン・ビューティ専門学校」「龍馬看護ふくし専門学校」の3校、22学科を持つ。学生も1千人近くを抱えている。医療、文化・教養、工業、衛生、商業実務、教育・社会福祉の6つの専門課程、計22学科を持つ総合専門学校で、その中の学科の1つに「日本語学科」があり、外国人留学生は、ここが“最初の入り口”になる。

「今も、高知には技能実習生が少しずつ来ています。ただ、技能実習生というのは、最長3年経ったら(母国へ)帰らないといけない。でも日本語検定の2級をウチの学校で取れれば、専門学校や大学に入ることができる。そこで国家資格を取ったりできれば、就職もできますよね。そういう人材が、高知のことを好きになってくれて、高知に残ってほしいんです。東京や大都市にも憧れているだろうけど、高知が住みやすいということが分かって、できればそういう人たちが、高知に残ってもらいたい。その将来的な『外国人参画社会』というものを作っていかないといけないでしょう」

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