家庭環境のせいで不倫相手を取っ替え引っ替え… 49歳男性が46歳にして落ちた「本気の恋」の結末

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初めての不倫、でも「したくてしたわけじゃない」

 就職して4年ほどたったころ、異動先の部署で仲良くなったのが美都里さんだ。2歳年上の美都里さんに仕事を教わり、コンビで働きながら親しくなっていく。

「ちょうど周りが結婚し始めた時期でした。特に結婚というものをしたかったわけではないけど、“一般的には”したほうがいいのかなとも思っていました。大学時代の経験から、自分が一般的な恋愛をわかっていないと自覚していましたから、周りに則って、そろそろ結婚しようか、と。気が合うし一緒にいて楽しい美都里しかいない。美都里とつきあっていたのは1年ほどですが、彼女はいちいち『週末はどうするの?』とか『どうして連絡くれないの?』とか、そういうことはいっさい言わないタイプだったから、僕のことをわかってくれているんだと思っていたんです」

 30歳のときに結婚。32歳で長男、2年後に次男が生まれた。以後も部署は移ったが、ふたりとも同じ会社で共働きを続けている。

 晃太さんが結婚後、初めて「浮気」したのは次男が生まれた直後だった。彼の言い方を借りれば「したくてしたわけじゃない」ということではあるが。

「学生時代からの友だちが主催した飲み会で親しくなった女性がいて、流れでふたりきりになって、流れでホテルに行ってしまって……。失恋したばかりだと聞いて、放っておけなくなってしまったんですよ。それをきっかけに、僕は女性が困っていたり寂しそうだったりすると、断り切れないんだとわかりました。その人とは半年くらい会ってたなあ。だけどあるとき、このままではいけない、彼女のためにならないと思って『いい男を見つけて幸せになってほしい』と解き放ったんです。優柔不断なことをしていると、学生時代の二の舞になる。僕は結婚しているし、家庭に迷惑をかけてはいけない。だけど実はものすごく女性のことは好き。だからこそ僕ならではの関係の持ち方があるのかな、と考えるようになっていきました」

 どうやら晃太さんは、基本的に女性が好きだが、「恋」という双方向のやりとりにはあまり関心がないようだ。女性の相談に乗るような形で親しくなっていく。性的な関係をもつのは大好き。自分の快楽にはあまり興味がない。女性が感じてくれればそれでいい。そこに自分の存在意義を見いだす。それが晃太さんという人間のようだと理解した。

「それぞれにいいところがあって、それぞれに素敵なんですよ、女性は」

 それから10年間ほどで、彼が関係した女性は10人近いという。すべての女性を1年未満で「羽ばたかせた」と言うが、「勝手に羽ばたかれてしまった」ケースも半数くらいいるらしい。ただ、彼は常に女性を褒め、その人のいいところを賞賛し、ときには仕事の相談に乗ったり就職先を世話したりと、女性のためにできることはなんでもやった。相手の年齢層も20代初めから40代までと幅広い。

「それぞれにいいところがあって、それぞれに素敵なんですよ、女性は。意地悪なことを言う人でも、きちんと話せば実は不安が大きいから他者に攻撃的になっている場合もある。ひとりの女性とじっくりつきあって、彼女が変わっていけるよう一緒にがんばる。それが楽しいんです」

 言葉にするとまるで教員のようだし、怪しい啓蒙者のようでもあるが、もちろん彼にはそんな意識はない。外見も男臭さがなく、話を聞くときもじっと目を見て、ときには乗り出してくる。自分に興味を抱いてくれていると女性が思い込むことは容易に想像できた。

「僕には家庭があるし、あなたと長い期間、一緒にいるわけにはいかないと最初に言います。それでもよかったら、僕とちょっと違う世界を見てみない? と。性的には僕、ものすごく献身的ですし(笑)」

 時間をひねり出して女性に会う。一方で、家庭も大事にした。子どもたちと一緒に全力で遊び、子どものように妻の言うことを聞いた。妻にとって彼は「扱いやすい人」だったのだろう。家庭はいつも円満だった。

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