フードアナリストが語る「私が絶対摂らない食品添加物」 9種類の実名は?

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隠してしまおう、という意図

8 調味料(アミノ酸等)

 言わずと知れた「食品添加物の王様」。「L-グルタミン酸ナトリウム」などがひとまとめにされていますが、ほとんどがいわゆる「うま味調味料」でしょう。僕が子供のころは塩などと一緒に食卓に置いてあり、何にでもかけていました。ところが、ある時期、アメリカのニューヨークにある中華街で食事をすると体調が悪くなる、と訴える人が相次いで、MSG(グルタミン酸ナトリウム)が原因ではないか、との声が出てきた。そこからMSG排除運動が始まったのですが、いつの間にか日本では表記がL-グルタミン酸ナトリウムからアミノ酸に変わってしまった。それが今では「調味料(アミノ酸等)」。アメリカなどでグルタミン酸ナトリウムの評判が悪くなってしまったので隠してしまおう、という意図を感じます。

9 カラメル色素

 おいしそうな茶色い色をした加工食品や調味料、お菓子や発泡酒などに使われている着色料です。安すぎる醤油モドキや「三温糖」という茶色の砂糖に使われていることもあります。発がん性あり、と一部ではいわれています。

精製塩に要注意

〈若尾氏はこうした「食品添加物」だけではなく、「塩」と「砂糖」にも注意を払うべきだと忠告する。〉

 精製された塩と砂糖が生活習慣病の元凶であることは疑いようがないでしょう。ただ、テレビに出てくるような偉い先生でも、「塩分を減らしましょう」としか言いません。そうではなく、本来は「精製塩を減らしましょう」と言わなければならないのです。精製塩とは、「塩化ナトリウム」の純度が99.5%以上の塩のことを指します。精製塩=塩化ナトリウムを摂るとなぜ体に良くないかというと、カルシウムやカリウムといった体内で必要なミネラルが、塩化ナトリウムを処理するために消費されてしまうからです。だから、多くのミネラルが含まれた天然の塩と精製塩は分けて語るべきなのに、そういう区別が全くされていないのは問題だと思います。僕は天然塩を使う分には問題ないと考えていますので、それほど使用量を気にせず使っています。

 一方の砂糖については、黒砂糖であれてんさい糖であれ、砂糖は砂糖。なるべく摂らないようにする方がいいと考えています。

途中で一気に「ゼロ」になる?

 食品添加物や精製塩や砂糖をなるべく摂らないために僕が気を付けているのは、ごく単純なことです。できるだけ自宅で調理したものを食べる。外食することもありますが、チェーン店やファミレス、ファストフード店は行きません。そういうお店では天然の塩なんてまず使っていません。使っているとしたら「どこそこの塩を使っています」と必ず謳うものです。だから外食をするにしても、個人でやっているようなお店にしか行きません。

 もちろん食品添加物などについて気にするも気にしないも自由。でも僕は、どうせ食べるのなら、なるべく何が入っているのか分かっているものを、自分で調理して食べた方がいいんじゃないですか、という話をしています。少しのことを気にするだけで、10年後は「大きな差」になっているかもしれませんよ、と。

 一度に全てを変える必要はありません。例えば、月曜日から金曜日まで毎日コンビニ弁当を食べている人で、少しでも食生活を見直そうとしているなら、まずは週に4日にするとか、代わりに定食屋に行くところから始める。そこから徐々にコンビニ弁当を食べる頻度を減らしていくと、なだらかに「ゼロ」になるのではなく、途中で一気に「ゼロ」になるはずですよ。ある時に「コンビニ弁当はもう食べなくていいな」と感じ、いきなりゼロになると思います。

若尾洋祐(わかおようすけ)
予防医学指導士・1級フードアナリスト。1961年生まれ。愛知県犬山市出身。繊維メーカーでテキスタイルデザイナーとして勤務した後に独立。予防医学指導士、1級フードアナリストとして食と健康のセミナーを開催している。著書に『食品添加物 これが貴方の体をボロボロにしている!』『小学5年生でもわかる!! 食と健康のはなし 1』など。

週刊新潮 2022年3月24日号掲載

特別読物「異色のフードアナリストが実践 『私が絶対摂らない食品添加物』9種の実名」より

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