独立リーグ・高知、15歳で来日した“実質中卒”の外国人選手が抱く夢

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 野球の独立リーグ、四国アイランドリーグプラスが発足したのは2005年。一時は6球団に拡大したこともあったが、高知、香川、徳島、愛媛の4球団は、リーグ発足以来のオリジナルメンバーとして、その歴史を刻み続けている。地方における地域密着のプロスポーツとしての位置づけが定着してきた今、高知は“次なるフェーズ”へ向け、地域との絆を深めるために、新たなる試みに挑もうとしている。

 その地域スポーツの“新時代の幕開け”を追う4回連載の第2話。アフリカの小国、ブルキナファソから来日した、高知ファイティングドッグスの主将・ラシィナの日本語取得への意欲と、高知県の人口減少問題の“関連”について追っていく。

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 高知の主将、サンホ・ラシィナは2013年、15歳で来日して以来、日本で学校に通っていたわけではない。だから、その学歴は、実質“中卒”なのだ。

「野球はいつか、辞めないといけない。もし辞めた時に何ができるのか。まずは日本語、しゃべるのはいいんですけど、やっぱり読み、書きが全くできないので、ちょっとだけでも読めたり書けたりできれば、何か違う道があるかな、と思うんです」

シーズンオフに漢字ドリルに取り組む

 実は、日本に来る留学生の大半は、文法や漢字の読み方といった、座学を中心に日本語を勉強してくるので、読めたり書けたりはできるのだが、喋る方が苦手だったりする。

 これは、日本人の英語学習でも、同じことがいえるかもしれない。

「僕と真逆なんですよ」というラシィナは、生活の中で日本語をマスターしたので、会話は大丈夫でも「漢字が全く読めないので、新聞は全然読めないです」

 そこでラシィナは、野球のシーズンオフに漢字ドリルに取り組むなどして、小学校3年生レベルのテキストを、なんとか自力でクリアしたという。

 高知球団の北古味潤は、野球事業以外のプロジェクト、つまり地域貢献活動や、後述する教育を絡めた新規プロジェクトなどを統括する責任者でもある。

 その北古味が、2022年の開幕前、ラシィナが「日本語の勉強をやりたい」と相談してきた時のことを振り返ってくれた。

「ラシィナに“スイッチ”が入ったみたいですね。『いくら僕が日本語をしゃべれても、その後に何かをするのには、やっぱり教育がついてこないと』って言ってきたんです。だから『とりあえずシーズンは野球に専念しなさい、あなたはキャプテンだから。だけど、それに対してのオフシーズンの取り組みに関しては、こちらでちゃんと考える』と言いました」

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