30年間賃金が上がらないのは誰のせい? 年収は韓国以下に…背景に「値上げヘイト」が

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 30年間、平均賃金が横ばいで、世界から取り残された貧乏国「ニッポン」。岸田総理は賃上げの号令をかけるが、なお「給料が上がらない」理由はどこにあるのか。韓国にも追い抜かれた貧困化の責任者は誰だ?

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 成長と分配。昨秋に発足した岸田政権の看板政策は、「新しい資本主義」である。経済成長を目指すと共に、その果実をどう賃金に反映させるか。その成否が政権の浮沈を決めるだけに、岸田総理も必死である。昨秋には、「次の春闘では3%超の賃上げに期待する」と発言。今年も政府が「民」の領域に口を出す「官製春闘」となったのだ。

「今年の春闘がどうなるのかは非常に重要ですよ」

 とは、日本の労組のナショナルセンター「連合」の前会長で、現顧問の神津里季生(りきお)氏である。

「もともと原材料の高騰などで物価が上がり基調の上に、ウクライナでの戦争が覆いかぶさってきた。今後、物価がより上がっていくのは確実です。今この時期に賃金を上げないと、家計は抜き差しならない状態になってしまいますからね」

 こうした空気を感じたのだろうか。多くの大企業が組合の要求に回答を出した3月16日の「集中回答日」。それに先んじてトヨタは「満額回答」を示した。リーディングカンパニーの大盤振る舞いに、いやが上にも世のサラリーマンの期待が高まっているのである。

30年間で給料は4%増

 なぜ近年、「賃上げ」が、これほどまでに注目されているのか。

 それはバブル崩壊後の30年間、日本人の給料がほとんど上がっていないからに他ならない。

 OECDの調査が表す状況は深刻だ。バブル崩壊直前の1990年、日本の平均賃金は年収ベースで約406万円。主要先進国(G7)の中で、アメリカには及ばないにしても、イギリスやフランスより上位を占めていた。

 しかし、最新の2020年の日本の平均賃金は約424万円。G7の中では、イタリアには勝るものの下から2番目となった。首位のアメリカは約763万円だから、その6割にも満たない。

 その原因は、賃金の「伸び」がなかったこと、だ。90年からの30年間で、日本人の給料はわずか4%増の「横這い」となっている。その間、他国はといえば、アメリカは約1.5倍。イギリスもフランスも1.3~1.4倍程度は伸びている。

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