元記者が見たNHKの政治忖度 ウェブ記事の見出しから「安倍内閣支持率『低下』」を外せ!

国内 社会

  • ブックマーク

菅内閣の支持率でも忖度が動いた?

 ところで、偶然、令和3年7月に行われた菅内閣の支持率低下のニュースでNHKの「ニュース7」の扱いがネット上で話題になった。7月18日の「Yahoo!ニュース」で、元NHK職員の鈴木祐司氏が「論点ぼかすNHKニュースの摩訶不思議~「支持率最低」を明示しない菅内閣への忖度ぶり」と題した記事を執筆されている。

 内容を簡略化すると、NHKの世論調査で菅内閣の支持率が発足後最低になったにもかかわらず、「ニュース7」のタイトルは「支持33% 不支持46%」と数字を羅列しただけで「最低」のキーワードを入れていなかったと指摘し、忖度があるのではないかと問題を投げかけている。

 真相は不明だが、ちょっとした「忖度」が動いた可能性はあると私も考える。これも普通の感覚なら「最低」はキーワードであり、タイトルに入れないのは不自然だ。判断したのは、「ニュース7」を制作するテレビニュース部の制作記者かディレター、あるいは「ニュース7」編集責任者か。当時は各報道機関の調査でも「菅内閣の支持率最低」などと「最低」を強調した報道が続いていたので、NHKニュースのタイトルに「最低」の文字を入れても別に問題にはされなかったと思うが、いずれにせよ、このレベルのNHKの忖度は続いているのだろう。

大和大介(やまと・だいすけ)
昭和39年新潟県生まれ。昭和62年、朝日新聞社入社。平成9年にNHKに転職し、新潟放送局に着任。以降、横浜局を経て水戸局などでニュースデスクを担当。平成23年に東京のネット報道部に移り、NHKのNEWSWEBサイト担当デスクを4年間務めた。平成29年に新潟放送局にニュースデスクとして着任、選挙担当などを務めた。令和2年8月、NHKを退職。現在はフリーライター。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。