独立リーグ・高知の新たなる挑戦…主将はアフリカの“最貧国”からやってきた

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高知市内まで往復で1時間強

 NPBを目指す若き野球人たちの育成に情熱を傾け、確かな実績も残している55歳の野球人は、この越知に居を構えて「今年(2022年)で11年目ですね」という。   

「指導をするには、ベストの環境ですよ」

 練習グラウンドは、山に囲まれた中にある。余談だが、吉田のインタビューを録音したレコーダーを聞き直すと、まるでバックグラウンドミュージックのように、ウグイスの「ホケキョ」の澄んだ鳴き声が、ずっと聞こえていた。

 越知町の南に接する佐川町は、高知の銘酒・司牡丹を製造する酒蔵が立ち並ぶ落ち着いた街並みが特徴だ。2020年の国勢調査では、人口は1万2323人。越知町よりは多いものの、高齢化率は41.0%。こちらも、少子高齢化と人口減少の波が止まらない。

 高知球団の選手寮は、JR佐川駅の前にある、かつての国鉄(JR)の寮を転用している。越知の練習グラウンドまでは、車なら7~8分で到着できる。職住接近、野球に専念できる環境といえば聞こえがいいが、高知市内まで出かけるとなると、往復で1時間強。近くに若者が羽目を外して遊べるような場所も、ちょっと見当たない。

「越知の人はみんな、いい人ばっかりなんですよ。居心地いいですよ。生活に困ることはないですしね。ちょっと最近は、都会に行くのが怖くなりました。人込みが怖くなってきたんですよ」

 越知での生活ぶりについて、笑いを交えながら語ってくれた吉田が、そしてNPB入りの夢を追う若者たちが、過疎化が進む小さな町に住み、野球に打ち込んでいる。

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