乳酸菌だけでは不十分? 高齢者が大腸のために取るべき菌とは

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認知機能改善という報告も

 最近では、腸管と脳機能は関連しているという「脳腸相関」という概念が登場しています。これは、脳と腸は自律神経を介して密接に影響を及ぼし合うと同時に、腸内細菌が作り出した代謝産物が腸管から吸収され、その刺激が脳に伝わるとも考えられています。

 これらの商品もその延長で考えることができるでしょう。ヨーグルト中に含まれる菌の代謝産物などを腸内の受容体が受け取ることでその刺激が脳に伝わり機能の改善に寄与するのではないでしょうか。ビフィズス菌ではないですが、他にも、カマンベールなどの白カビ系チーズを摂取すると、カビが作り出した成分が腸管から吸収され、認知機能を改善するという報告もあります。

 ビフィズス菌を効果的に腸内で増殖させるため、その餌となるオリゴ糖や水溶性食物繊維を一緒に加えている製品もあります。例えば、江崎グリコの「BifiX」にはイヌリンという水溶性食物繊維が配合されています。

自分に合った商品を

 ヒトの消化酵素に分解されずに腸に届くオリゴ糖としては、ガラクトオリゴ糖やフラクトオリゴ糖などがあります。バナナやゴボウなどはフラクトオリゴ糖を比較的多く含んでいますが、食物に含まれるオリゴ糖は基本的にわずかです。母乳中には100種類以上のミルクオリゴ糖が存在するものの、それらは構造が複雑で化学的に合成するのが難しい。食品に添加できる比較的安価なオリゴ糖はフラクトオリゴ糖など数種類しかなく、そうしたオリゴ糖が含まれるヨーグルトやサプリメントを一緒に取るのがいいでしょう。

 例えば、ミルミルにはパラチノースというオリゴ糖が含まれています。パラチノースは決して安価なオリゴ糖ではないので、さすが大企業という印象があります。ビヒダスヨーグルトにもラクチュロースというオリゴ糖が含まれています。あるいは水溶性食物繊維は果物に多く含まれるので、オレンジやキウイをヨーグルトと一緒に食べるのが効果的でしょう。

 ただ、こうしたビフィズス菌の効果は人によって異なります。唾液や胃酸、胆汁酸の量、食事と一緒に飲み込む空気の量は人それぞれです。早食いの人は空気を飲み込む量が多くなり、腸内の酸素分圧が高まることで、大腸下部でのビフィズス菌数が減少するので注意が必要です。自分に合った商品を見つけ、便秘の方は排便数の増加、下痢の方は下痢の回数減少や腹痛改善、などを確かめるのがよいと思います。2週間ほど摂取してみて気になっている症状が軽減されるようでしたら、そのビフィズス菌が体に合っている、と思います。

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