元極道YouTuberが振り返る「ヤクザの壮絶リンチ現場」 恐怖の絶頂で人間が放つ「凄まじい臭い」とは
臆病者でいられたからいまがある
私はそのリンチ現場に居合わせながら、これは自分にできないと思った。自分が臆病者なんだと知りました。こんなところから早く離れなきゃとも思いましたが、その後ずるずる20年くらい稼業を続け、3度も懲役にも行き、最後は出奔して組から抜けました。
その間、非暴力を貫きました。若い衆がつくようになっても、ヤキを入れたことは一度もありません。刑務所の中では、同じヤクザ者に殴られるようなこともありましたが、決して殴り返さなかった。
みんな笑っていましたよ、「お前、本当にヤクザなのか」と。でも、私は構いませんでした。一度、暴力の恐怖で人を制御し、支配する手法を覚えてしまい、それを貫いたらどうなるか。
あの時、何食わぬ顔でリンチしていた組長は、非業の死を遂げたと伝え聞いています。カシラも、いまどこで何をしているか、生きているのか死んでいるのかもわかりませんが、きっと畳の上で死ねるような人生を送っていないでしょう。
元ヤクザYouTuberなんて名乗っていますが、ニセ物のヤクザだったのかもしれません。でも、それで結構です。任侠道をまっとうできなかったかもしれないけれど、人としてギリギリ、道を踏み外さなかった。だから、いまこうして、シャバで暮らし続けられているんだと思っています。
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