政府が「四半期報告書」を廃止する理由 専門家は「外国人投資家が逃げ出し株価にマイナス」

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株価にはマイナス

 実際、米ブルームバーグによるインタビューでも原氏は、

〈四半期決算内で業績を上げるというプレッシャーで多くの経営者が短期志向になってしまう〉

〈中長期の視点で設備投資や商品開発、研究開発投資をやっていくことを日本人は忘れてしまった〉

 と断言している。四半期報告書を止めて業績が上がるのなら、これほど楽なことはないが、元大和総研主任研究員でシグマ・キャピタル代表取締役の田代秀敏氏は首を傾げるのだ。

「日本の株式市場における外国人の売買比率は70%を超えています。つまり、外国人投資家が株価を左右しているのが実態です。その中には短期志向ではなく、長期で日本市場に投資している年金基金等もいる。しかし、四半期開示を止めてしまえば必要な情報が入らなくなり、東証は“闇鍋のようになった”と見られ、外国人投資家は逃げ出すでしょう。株価にはマイナスしかありません」

 政府は、四半期報告書を止める代わりに「決算短信」に一本化する予定だというが、

「決算短信は公認会計士による監査の必要がありません。内容もA4紙で数枚という会社もあります」(前出の経済紙デスク)

 日本の株式市場はますます世界に置いていかれるのだろうか。

週刊新潮 2022年4月28日号掲載

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