僕は育ちが貧乏なので… かまいたち「濱家隆一」が語った仕事の原動力とは
山内健司(41)と濱家隆一(38)によるお笑いコンビ「かまいたち」のテレビのレギュラー番組は現在11本。売れに売れている。2018年に拠点を東京に移した当初は山内のサイコパス的な芸風が注目を集めたが、このところ評価が上昇一途なのが濱家だ。その魅力とは――。
濱家は元乃木坂46の生田絵梨花(25)と一緒に4月9日からNHKの新音楽番組「venue101」(土曜午後11時)のMCを務めている。その評判はいい。誰にでも分かる言葉で音楽を伝え、出演アーチストと視聴者の橋渡し役を果たしている。
NHKの総合にはほかにファミリー向けの「うたコン」と主にミドル向けの「SONGS」と2つの音楽番組があるが、「venue101」は若者向け。そのMCに起用された濱家は若者ウケすると見込まれた訳だ。
確かに濱家は若者に人気がある。日本テレビもそれを買い、T層(男女13~19歳)とF1層(女性20~34歳)を意識した朝の情報番組「ZIP!」の水曜パーソナリティーを3月まで任せていた。
20代から30代の女性が中心読者層の「anan」の裏表紙とグラビアの計10ページに登場したこともある(1月19日発売号)。お笑い芸人としては超異例のことだった。
インスタグラムのフォロワー数は58万人超。相方・山内の35万4000人を大きく引き離している。名の通ったアイドル並みだ。
原動力は「金を稼ぎたい」
濱家の魅力とは何か。昨年9月7日放送のテレビ朝日「ロンドンハーツ」に出演した3時のヒロイン・福田麻貴(33)とNMB48・渋谷凪咲(25)は「カッコイイ」と口を揃えた。
外見を誉めたのは福田。
「長身、色白、声が低い。男のカッコいいところが全部詰まってる」
なるほど、身長1メートル87の80キロで、モデルに負けない体型である。吉本興業の女性芸人の間では「濱家さんはセクシー」と評判なのだそうだ。
渋谷凪咲は内面を讃えた。番組の収録で一緒になった際の濱家は、「凪咲、寒ないか?」などとサラッと気遣ってくれるという。
実のところ、濱家は男性から見てもカッコイイ。2月27日放送のフジテレビ「ボクらの時代」にピアニストの清塚信也(39)、A.B.C-Zの河合郁人(34)と出演した際、人生観についてこう語った。
「僕は育ちが貧乏なので、働いてる今の自分の指針となっているものは、コイツと結婚して良かったなとか、コイツの娘で良かったなとか、親にはコイツ生んで良かったなと思ってもらえるほど金を稼ぐことだけ。ホンマそれだけです。いかにオレが生きている間に身内を潤すかが原動力ですね」
淡々とした口調で、気負いも力みも感じられなかった。ウケ狙いや建前の言葉ではなく、本音に違いなかった。
「金を稼ぎたい」。そうメディアで公言するのは結構難しい。金のことを口にするのは品のないことだという風潮があるからだ。反感を買いかねないことはデビュー19年目の濱家ならよく分かっていたはずだが、それでも胸の内を率直に明かした。家族を深く思っているからだろう。カッコイイ。
よく知られた話であるものの、濱家は幼いころ、経済的にかなり苦労した。小学校2年生の時に両親が離婚し、母親が1人で姉と濱家を育てたためだ。去って行った父親は借金まで残していた。
3月15日放送のTBS「バナナサンド」で本人が明かしたところによると、夏は長袖の服を切って半袖にして着た。冬になると、切った袖を母親が縫い合わせ、長袖に戻した。
姉のお下がりの服を着ることもあった。だが、そんな過去への恨み節や泣き言を口にしたことはない。淡々と振り返るだけ。そして「身内を潤したい」と目標を語る。
「30億円稼ぎたい」と口にしたこともある。キャラは全く異なるが、1978年に『成りあがり』を書いた矢沢永吉(72)を思い起こさせる。コネや親の威光などに頼らず、体一つで成功を掴もうとする存在はいつの時代もカッコイイ。
ちなみに母親はその後、再婚。濱家は母親のみならず義父にも漫才コンテストなどの賞金の一部をプレゼントしている。4歳年下の夫人とは2017年に結婚。2019年には女児が生まれ、この4月15日には男児が誕生した。金を稼ぎたいモチベーションがより高まっているだろう。
もっとも、カッコイイだけで芸人として成功するのは難しい。濱家が超の付くほど売れっ子になれたのは魅力的なトーク力を持ち、かまいたちのツッコミ役としても優れているからだ。
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