金沢・女性殺人未遂事件、被害者の夫はビジュアル系バンドのメンバー 容疑者が過去に起こしたストーカートラブル
ライブに顔を出していたことを確認
捜査当局は、逮捕された佐藤容疑者が山下さんのライブに顔を出していたことを確認している。では、ファンとして一方的に好意を募らせた上での犯行だったのかといえば、コトはそう単純ではない。そもそも、山下さんと佐藤容疑者は「バンドメンバーとファン」としてではなく、勤務先の介護施設で初めて顔を合わせているのだ。
佐藤容疑者の旧姓は中野で、石川県白山市出身。父親は元薬剤師で、年の離れた姉が2人いる。母親は彼女が高校生の頃に病死したという。
「彼女の性格はキツめで、勝ち気。急に“アンタより誰々のほうがかわいいわよね”とキツい言葉を投げかけられたことがあります。思ったことをハッキリと言う、敵を作りやすいタイプでしたね」
と、中学校時代の同級生は振り返る。
「また別の時、彼女が髪をきれいに巻いていたので、“自分で巻いたの?”と聞いたら、“当たり前やがいね”と勝ち誇ったように言われてしまった。イヤな人というほどではありませんが、気が強いなぁと思っていました」
中学時代の別の同級生は、
「彼女が高校生の時、彼女持ちの男を奪ったことがある、と聞いたことがある」
そうしたところに、今回の事件につながる“激情”を見ることもできるが、若い頃の「問題児エピソード」はない。小学校の卒業文集では、〈心に残った授業〉として〈5年のときのいのちの授業〉をあげている。
パワハラ被害を訴える声も
そんな彼女は地元の県立高校から、やはり地元にある金城大学に進み、卒業後は介護福祉士として職を得た。今の介護福祉施設で働き始めたのは、
「約8年前。一方の山下さんは約6年前、介護施設の社長の知り合いの紹介で働き始めています。山下さんは元々は肉体労働をしていて、介護の仕事は素人。それを一から教えたのが佐藤だった、とのことです」(二人が働いていた介護施設を含む事業グループの代表者)
二人が勤務していたのは、最大で20人弱の認知症などの高齢者が入居できる介護施設である。
「佐藤は職員としては有能で、前任の管理者が辞めるとすぐに次の管理者になったそうです。管理者というのはコンビニでいうところの店長みたいな立場で、職員全体への指示の他、シフトの作成も行うため夜勤手当など、間接的に給与の金額にも関われます」
と、佐藤容疑者をよく知る人物が語る。
「職員への好き嫌いがハッキリと態度に出るタイプで、自分を慕う人にはフレンドリー、対立するような人とは距離を置く。管理者としてのやり方にもワンマンなところがあり、パワハラ被害を訴える声もあったと聞いています」
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