金沢・女性殺人未遂事件、被害者の夫はビジュアル系バンドのメンバー 容疑者が過去に起こしたストーカートラブル

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なぜ命を狙われたのか

「助けて」「殺さないで」という女性の叫び声や赤ちゃんの泣き声を聞いた近隣住民が110番通報した。

「警察官が被害者宅に駆け付けたところ、血だらけの女性が赤ちゃんを抱いて布団の上に座り込んでいた。そして彼女は目の前に立っている佐藤を指さし、“この人に刺された”と。その後、家からパトカーへと誘導したが、乗せようとするタイミングで佐藤は逃げようとするような動きを見せた」(金沢中署の副署長)

 逮捕された佐藤容疑者は、

「部屋の鍵を届けようと思って訪ねたら、相手の女性が血まみれになっていた」

 として容疑を否認。被害女性によると、佐藤容疑者とは面識がないという。何故、彼女は夫の職場の同僚に命を狙われなければならなかったのか。

 10歳以上年上の夫との間に小学1年の女の子と保育園に通う男の子、2人の子供がいる佐藤容疑者。そのFacebookのページを確認すると、被害女性の夫が「友達」として登録されていた。整った顔立ちで長髪、痩身。ベースを抱えた写真もあり、一目でバンドマンだと分かる。名前はここでは仮に、山下健斗さんとしておこう。

北陸ではトップレベルのビジュアル系バンド

「え、健斗君があの事件の被害者の旦那だったんですか。驚きです。彼は地元のビジュアル系バンドの世界では有名人ですから」

 と、金沢の音楽関係者。

「彼が今やっているビジュアル系バンドは北陸地方ではトップレベルです。結成は昨年。北陸地方などのうまいミュージシャンが集まって結成されたのですが、健斗君もそこにベース担当で加わったわけです。健斗君はとにかく音楽バカ、ベースバカで、性格的にはちょっと天然なところがある。お酒を飲む時もずっとベースを抱えながら飲むんですよ」

 そのビジュアル系バンドのHPを見ると、化粧を施し、魔導士のような恰好をした山下さんの姿が確認できる。バンドのことを取り上げた雑誌では、〈極闇に産まれ闇に天恵を与えるもの〉と自己紹介している。

「あのバンドは元々ある程度名の知れたバンドマンを集めてきて結成されたので、売り出しの頃から結構人気があったと思います。ライブハウスでライブをやれば簡単に70~80人は集まりますからね。健斗君のベースは、全国的に見れば掃いて捨てるほどのレベルかもしれませんが、県内でいえばやはり一流の部類に入ると思います」(同)

 別のバンド業界関係者に聞くと、

「健斗君は、顔はいいしベースもメチャクチャうまいからモテますが、チャラチャラした感じはあまりない。どちらかといえば寡黙、生真面目という印象です」

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