大阪・高槻「17歳高校生」が起こした凶悪事件に新事実 凶器に浮上した“自家製”筋弛緩剤

国内 社会

  • ブックマーク

筋弛緩剤を注入

 捜査関係者を驚かせたのは、少年の段ボール箱からスタンガンに催涙スプレー、手錠やロープなどが押収されたことだ。少年が元交際相手を襲撃・拘束する目的で自宅に侵入したと見られている。

 そして書類送検に至る過程で浮かび上がったのが、少年の彼女に対する執着だったという。

「事件前、少年は友人を使って復縁を持ち掛けたが、娘さんは断ったそうだ。これが犯行の契機となったと見られているが、あまりに身勝手な動機というほかない」(捜査関係者)

 さらにその後の捜査で、現場に残された注射器から「筋弛緩剤」の成分が検出されたという。

「筋弛緩剤は体内での吸収が早いため、柴田さんに対する司法解剖では判然としなかった。しかし少年が柴田さんを襲撃した際、筋弛緩剤を注入したものと考えている。頭蓋骨骨折をもたらした打撲痕は少年が現場に落ちていた警棒で殴打したものと見られるが、それが致命傷に至らなかったことも分かった。代わりに、柴田さんの死因は筋弛緩剤だったとみられている」(同)

 筋弛緩剤の入手経路については不明で、少年が自分で“製造”した可能性も捜査当局は捨てていないという。

送検後に不起訴

 書類送検となっても、被疑者が死亡しているため、不起訴となる公算だ。

 それでも残された遺族にとって、事件に一つの区切りが付くことを期待する声は多い。

「挨拶しても俯いて会釈するようなシャイな女の子だったけど、お母さんとは仲が良さそうでした。だから、彼女が負った心の傷が心配でなりません。犯人が死んでいるので、罪を償わせることもできず、無念で悔しい思いをしているでしょう。それでも高校卒業後は進学する予定と聞いていたので、これを機に一歩前に踏み出してくれることを切に願います」(近隣住民)

 事件後、柴田さんの娘は母と肩を寄せ合って暮らした現場マンションから引っ越している。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。