打撃はいいが…守備は心もとないウォーカーへ唯一の処方箋【柴田勲のセブンアイズ】
シューメーカーの素晴らしい投球
巨人が19日からの広島(東京ドーム)、中日(バンテリンドーム ナゴヤ)6連戦を5勝1敗と勝ち越して貯金を「10」とした。24日は5点差を守り切れず逆転負けを喫した。連勝も「6」で止まった。
痛い1敗ではあったが、いまのところは投打がかみ合っている。首位固めを狙える。
それにしても中日との3連戦、投手の基本の差が明確に出た。
23日に先発したマット・シューメーカーがお手本ともいえる素晴らしい投球を見せてくれた。122球、被安打2で来日初勝利を完封で飾った。四死球0が光る。
150キロを超えるスピードはないが、真っすぐ、カーブ、フォークといった変化球を丁寧に低めに集めた。とにかくコントロールの良さが目を引いた。コーナーの四隅にキッチリと投げ分けて中日の打者に的を絞らせなかった。投げるテンポもいい。投手はやはりコントロールだ。
ベンチにいい先生がいる
で、翌日に先発した赤星優志であり、2番手で登板した高橋優貴だ。赤星は3回途中での降板となった。ピンチを招いて痛打されたがこの日は「売り」のコントロールが武器にならなかった。打者17人に4四球だ。
新人として5試合目の先発、そろそろプロの打者の怖さを意識する頃だ。22歳、若い。精神的な疲れがあっても、肉体的な疲れはないはずだ。打たれたくない。この意識が強くなった。くさいところを突く。慎重に。
これまではストライクを先行させて、打者を追い込んできた。この姿勢に欠けていたと思う。これがベンチにも伝わる。前日のシューメーカーもそうだが、ベンチにはいい先生がいる。桑田真澄投手チーフコーチだ。現役時代は球威というよりも制球力で勝負してきた。打ち取るタイプだ。
投手を含めれば9人で守っている。打者を常に追い込む。打たせて取る。10安打されてもいい。だが無四球を狙う。ベンチはこんな気持ちで送り出してほしいし、本人もまた目指すことだ。
高橋にしても2四球もそうだがもっと低めに意識を集中すべきだ。これまた基本だ。
[1/2ページ]