オコエ、“1、2年目の落とし穴”で楽天に居場所なし…それでも「大田泰示」のようなケースになるか

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今年、結果を残せなければ「戦力外」の声も

 楽天は、パ・リーグの首位をソフトバンクと争い、順調なスタートを切った。だが、そんなチームにあって、年々厳しい立場に追い込まれているのが、2015年ドラフト1位のオコエ瑠偉だ。【西尾典文/野球ライター】

 一昨年の契約更改の場では、石井一久GM(現・GM兼監督)から「そろそろ出てこないと野球人生が苦しくなる」と“最後通告”ともいえる発言があった。昨年は2年ぶりに一軍出場を果たしたものの、打率は2割前半で、ホームランはゼロと結果を残せなかった。さらに、今年は日本ハムから加入した西川遥輝が大活躍するなど、ただでさえ、レギュラー候補が多かった外野のポジション争いは厳しくなっている。

 オコエ自身も、昨年オフに受けた左膝手術の影響で、二軍での調整が続いている。今年で7年目という年数を考えると、一軍で結果を残せなければ、「戦力外ではないか」という声も聞こえてくる。

甲子園での活躍で1位指名

 オコエの打撃成績を、記事の文末に記載しているが、“ドラ1”としてはあまりに寂しい数字が並んでいる。では、高い評価でプロ入りしながら、ここまで苦しんでいる理由はどこにあるのだろうか。高校時代のオコエのプレーを数多く見てきたスカウトは、以下のように話していた。

「2年の秋までは正直に言って、そこまで注目していた選手ではなく、3年生になって急激に良くなりました。特に、長打を打った時のベースランニングは凄かったですよね。ただ、甲子園での活躍がなかったら、1位指名はなかったかもしれません。高校生のドラフト候補は、甲子園で大活躍すると、多くの人の目にとまるので、評価しやすくなるというのはありますよね。オコエの場合、走塁と守備は目立ちましたが、バッティングは当たれば飛ぶけれど、不器用というタイプでした。プロでも、モノになるまでに時間がかかると思っていた人が多かったんじゃないですかね」(関東地区担当スカウト)

 このスカウトが話すように、3年夏に出場した甲子園では初戦で2本のスリーベースを放ち、そのうち1本は12秒を切れば俊足と言われる三塁到達タイムで11秒を切る数字をマークしている。一塁を回ってから、どんどん加速するようなベースランニングは“飛んでいる”と表現したくなるほどだった。

 また、3回戦で、センター後方の大飛球をキャッチするファインプレーを見せたほか、準々決勝では決勝のホームランを放っている。チームは準決勝で敗れたものの、紛れもなく、夏の甲子園で主役の一人であった。

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