地下芸人が地上波で大活躍、ブーム到来!彼らがいまウケている理由は?
「地下芸人らしさ」とは
そもそも、お笑い界全体では数千人から数万人の芸人がいると考えられているのだが、その中で世間に広く名前を知られているのは、テレビに出て活躍しているほんの一握りの芸人だけだ。それ以外の芸人は、ほとんどテレビに出ることもなく、お笑いライブに出演している。
いわば、定義上はほとんどの芸人が「地下芸人」であるとも言える。だからこそ、地下芸人にもいろいろなタイプの人がいる。いかにも地下っぽいテレビでは放送できないような過激なネタをやる人もいれば、テレビでもそのまま通用しそうな正統派のネタをやる人もいる。
芸人である限り、見る人を笑わせたいという気持ちは地上でも地下でも変わらない。「地下芸人らしさ」というのがあるとすれば、それは「自分が面白いと思う限りでどこまでも思い切ったことをやるべきである」という心構えのようなものだろう。
そういう意味では「良くも悪くも荒っぽい」というのが地下芸人の特徴である。マヂカルラブリーの野田クリスタルはかつて「『エンタの神様』が人気だった頃、自分のまわりの地下芸人が一斉にエンタっぽいリズムネタをやり始めた」と語っていたことがある。地下芸人だからとがっているとか世間に迎合しないというわけではなく、むしろ長いものには巻かれるようなちゃっかりしたところもあるというのだ。
地下っぽさとは、料理にたとえるならスパイスのようなものだ。基本的な味つけを整えた上で、適切な量のスパイスが加えられると風味が増す。しかし、くすぶっている時期が長い地下芸人は、往々にしてスパイスの量を増やしすぎて、世間で求められていることから離れてしまう。
最近、地下芸人がテレビという「地上」に這い出てスポットを浴びているのは、お笑い界全体が活気づいている証である。ルール無用の地下芸人が続々と出てきて活躍するようになれば、テレビのお笑いシーンもますます刺激的で面白いものになるだろう。
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