佐々木朗希をどう育てるべきか? 「メジャー球団がよだれ」でも代理人が指摘する不安材料

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登板するたびに完全試合の紙面を想定

 投手に対して〈球威を抑えろ〉とは、ぜいたくな課題だ。とはいえ、発展途上中の現在でさえ、「小学生のなかに高校生がいるようなレベル」(元中日投手の岩瀬氏)だからこそのアドアドバイスと言えるだろう。

「毎回、完全試合の紙面を想定するなんて経験したことがありません。ファンにはかつての松坂大輔、大谷翔平以上の期待感があるんじゃないでしょうか」(大手紙デスク)

 無論、佐々木が登板するたびに、“完全試合の屈辱”と隣り合わせの恐怖を味わう「対戦相手は堪ったものではないはずだ。

 5月下旬には交流戦がスタートする。果たして、パ・リーグよりも速球が苦手とされるセ・リーグのチームが攻略の糸口を見出せるのか。

 在京セ球団のスコアラーは早くもお手上げ状態だ。

「まずは“走者を出すこと”を考えないといけない投手。待球作戦を採ってもコントロールがいいから四球は期待できない。当てにいっても160キロ超の球をミートするのは至難の業。球界一、三振をしない吉田正尚(オリックス)でさえ1試合3三振ですからね。かといって、ファンが許さない雰囲気だから、バントばかりするわけにもいかないし…」

メジャー全30球団でエースになれる

 弱冠20歳にして最年少完全試合、13連続奪三振など数々の金字塔を打ち立てた佐々木。野球の本場・米国でも毎週、その登板が話題を呼んでいる。

 契約金が制限を受けない25歳以上のポスティング移籍は最短で2026年オフだ。日本選手の最高額は、2014年に前年24勝0敗の好成績をひっさげて、ヤンキース入りした田中将大投手の7年総額1億5500万ドルだが、これを塗り替える可能性は高い。

「すぐにでもメジャー全30球団でエースになれますよ。仮に今オフに渡米できれば、田中の契約をはるかに超えるでしょう。投手として完成し、渡米が決まったときにどんな値が付くのか。現時点では想像もつきません」(大リーグ代理人)

「怪物」の物語は、まだ序章に過ぎない。

津浦集(つうら・しゅう)
スポーツライター

デイリー新潮編集部

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