“制裁破り”の動きにバイデン大統領はイライラ…ロシア産原油の購入を拡大させるインドの言い分

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 中国を包囲する形で連携を目指す日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」を主導する米国のバイデン政権にとって、インドの外交姿勢が大きな問題になりつつある。インドはウクライナに侵攻したロシアに対する国連総会の非難決議を棄権し、西側諸国が主導する経済制裁にも参加していない。

 1947年に英国から独立を果たしたインドは、旧ソビエト連邦の社会主義計画経済をモデルとして経済システムを構築した。右派寄りでヒンドゥー至上主義を支持する年長の世代は、冷戦中にソ連がインド政府を支援してくれたこともあってロシア政府に同情的な傾向が強いと言われている。

 独立してから75年しか経っていないインド人の脳裏に英国支配下の人権蹂躙の記憶が鮮明に残っており、植民地時代の積もり積もった不満から「欧米人に人権や民主主義について説教される筋合いはない」との反発が広まっている。ウクライナ侵攻を巡り「国際社会はロシア糾弾で団結した」とする認識についても、インドでは「欧米人の希望的勘違いだ」とする見方が強い。

 国境紛争を巡り中国の脅威が高まる昨今、ロシア製兵器の主要輸入国であるインドは、ロシア政府との通商関係をなんとしてでも維持したいところだろう。ロシアへの経済制裁に加われば、中国とロシアの接近を後押しすることになりかねない。

 このような理由から西側諸国に同調しないインドをバイデン政権はこれまで大目に見てきたが、ここに来て、インドへのいらだちを募らせている。インドが「制裁破り」ともとれる動きを活発化させているからだ。

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