ミス学習院からセクシー女優、覚せい剤で逮捕… 「結城るみな」の“転落と懺悔”告白

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そして逮捕へ…

 逮捕は昨年9月20日。一晩中遊び歩いたあと、午後1時頃に自宅のマンションに戻った際のことだった。

「エントランスに入ると、エレベーター前で『~さんですよね?』と男の人に本名で呼びかけられたんです。後から別の男性と女性の捜査員の方が数人でやってきて、手帳や令状を見せられたのですが、信用できなかったですね。薬物の影響で疑心暗鬼になっていたんです。しかも恐怖でいっぱいで。薬物のことを尋ねられても『持っていません』の一点張り。でも、全員でエレベーターに乗って私の部屋に向かうときに、白状しました。というのも、薬物はまったく隠さず部屋に置いていたんです。猫の手が届かなければいいか、と洗面台の上にほうりだしていました。だから部屋に来られたらもう無理だなと。生活が荒れに荒れ、部屋は人が入れるような有様ではなかったので、ガサ入れは恥ずかしかったですね……。一緒に生活していた猫にも申し訳なくて……」

 手錠をかけられたときに頭によぎったのも、親や仕事よりもまず「猫はどうなっちゃうんだろう」ということだったそうだ。

「猫どうしよう、と泣きわめいてしまったことは覚えていますね。それ以外はあまり記憶になく……。あ、マトリの人に『さっき君を待っている間に、そこで“かねちー”(※EXITの兼近大樹)見たよ』と言われたのは覚えています。ファンなので、会いたかったな……と。なんだかそういうどうでもいいことばかり、思い出します」

 湾岸所での留置は46日間におよんだ。一緒に薬物を購入し逮捕された人物との供述が食い違い、20日間だった予定が長引いた(自分は正直に話した、と結城はいう)。

「それでだいぶ体が健康になったというか。規則正しく、3食をたべて、就寝時間は決まっていて。自由時間は読書ばかりしていました。特に読んでいたのは、セクシー女優の先輩で、覚せい剤での逮捕歴がある小向美奈子さんの自叙伝。自分を戒める気持ちで読んでいました」

 裁判で下された判決は、懲役2年・執行猶予3年。 交流のあった『闇金ウシジマくん』でおなじみの漫画家・真鍋昌平氏が情状証人となってくれた。こうした周囲の支えが抑止になっているものの、薬物をやりたい願望が今も消えたわけではない、と告白する。

「こんなことを言うと誤解をされてしまうかもしれないのですが、(薬物に使う)ガラスパイプを買って、あえて部屋の見えるところに飾っています。 『中身を買ったらおしまいだぞ』という気持ちですかね。精神的に不安定なのは変わらず、ときに睡眠薬を飲み過ぎてオーバードーズしてしまうこともあります。メーカーさんが撮っていただけるのであれば、セクシー女優として復帰したいですが、まだ(逮捕の)9月から1年も経っていませんし、事務所が今後を考えてくださっています。両親からは『もう足を洗ったら』と言われていますが……」

 身体を「売る」女性たちを30年以上取材してきて、ここ10年 ほどは承認欲求を満たすために業界にやってくる子が増えているように思う。大型新人としてデビューした結城は、その成功者であると同時に、強すぎる承認欲求が薬物逮捕を招いた点で、最大の転落例ともいえるだろう。

 私というメディアの人間の問いかけに、丁寧に分かりやすく、はきはきと答える結城は、まだ「特別な私」を諦めてはいない。それがまた足を踏み外すことにはならないか。インタビューをしながら、そう思った。

酒井あゆみ(さかい・あゆみ)
福島県生まれ。上京後、18歳で夜の世界に入り、様々な業種を経験。23歳で引退し、作家に。近著に『東京女子サバイバル・ライフ 大不況を生き延びる女たち』ほか、主な著作に『売る男、買う女』『東電OL禁断の25時』など。Twitter: @muchiuna

デイリー新潮編集部

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