「月曜日のたわわ」日経広告の波紋 「痴漢を助長する」と指摘された過激表現とは?
4月4日の日本経済新聞朝刊に掲載された、コミックス「月曜日のたわわ」(講談社)の全面広告を巡って論争が起きている。国連女性機関は「男性が未成年の女性を性的に搾取することを奨励するかのような危険もはらむ」と広告を掲載した日経新聞を非難。一方で、「表現の自由への侵害」にあたると日経新聞や講談社を擁護する声も多い。そもそも、「月曜日のたわわ」とはどういった作品なのか。二人の女性に読んでもらい、意見を聞いてみた。
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裸や性交シーンはない
都内の大型書店で、コミックスは販売されていた。全4巻で、値段は各巻約700円と高め。いずれも表紙に制服がはちきれんばかりに胸が強調された女子高生のイラストが載っており、レジまで持っていくのが恥ずかしい。特に4巻は、主人公の胸を後ろから同級生の女性が鷲づかむ過激なイラストで、一目でいやらしい漫画だとわかってしまう。
記者が全巻を購入してみようと思ったのは、ネットニュースなどで繰り広げられる論争から広告自体の問題性は理解できたものの、作品の内容までは見えてこなかったからである。
女性の裸や性交シーンが描かれていないという予備知識はあった。だから、ちょっとエッチなラブコメディくらいのイメージを抱いて読み始めたのだが、のっけから予想は大きく覆された。
月曜日は“癒しの時間”
物語は満員電車のシーンから始まる。「お兄さん」と呼ばれるサラリーマンは、そこで胸が“たわわ”な女子高生“アイちゃん”と密着してしまう。サラリーマンは動揺するが、アイちゃんは嫌がるそぶりをまったく見せない。それどころか、サラリーマンが落としてしまった名刺入れを拾う際に、胸を股間に押し付けてくるのである。
その名刺入れを巡って二人は出会い、それから毎週月曜日にサラリーマンは「痴漢防止のボディーガード」として、アイちゃんと満員電車に乗り合わせるようになる。だが、この男は女子高生を性被害から守ろうとする清廉潔白な人間ではない。むしろ逆で、アイちゃんを「独占できる」「憂鬱な月曜日の朝になくてはならない癒し」と考えてしまうふしだらな男なのだ。
一方のアイちゃんはそんな男の下心も意に介さず、「もう一度名刺入れ落としてみます? それを私が拾えばまた元気に……」と誘ってくる挑発的な女の子。駅のホームで目を閉じて、ブレザーのボタンをサラリーマンに閉めさせるようなことまでしてくるのだ。
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