巨人・丸がホームラン連発で好調 ある“若手選手”の中堅手育成プランに危機感か

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 プロ野球の巨人の丸佳浩選手(33)が開幕から好調だ。3月25日の開幕戦初打席では今季プロ野球界第一号となる豪快なホームランを右翼席にたたき込むなど、5本塁打(4月18日現在)でセ・リーグトップ。昨季は不振で二軍落ちするなど、ここ数年、広島時代にリーグMVPを2年連続(2016、17年)獲得した圧倒的な力がなりを潜めていただけに、今季の活躍は目を見張るものがある。

 背景にあるのは、200センチの最長身で注目を集めた2年目野手・秋広優人選手(19)の「中堅手育成プラン」の存在。若手に定位置のセンターを奪われることへの危機感が、球界15年目の中堅手の尻に火をつけたようだ。

 まずは丸選手の経歴をおさらいしたい。千葉経大付高校から07年に高校生ドラフト3位で広島に入団。3年目に一軍初出場を果たして頭角を現すと、14年シーズンには初の打率3割超と球界を代表するバッターへ成長し、17年シーズンはセ・リーグMVP、最多安打、ゴールデングラブ、ベストナインと多くのタイトルを手にした。18年シーズンも2年連続となるMVPを獲得し、広島の3年連続リーグ制覇に大きく貢献。FA宣言後の18年12月、契約期間5年、推定年俸総額25億5000万円の大型契約で巨人に移籍した。

 移籍後最初の19年シーズンは、打率2.92、27本塁打、89打点を記録し、7年連続7度目のゴールデングラブ賞も受賞。巨人に5年ぶりのセ・リーグ優勝をもたらすなど期待通りの活躍をみせた。

背負わされた背番号「55」

 だが、20年にゴールデングラブ賞を7年ぶりに逃すと、21年は極端な打撃不振に陥り、二軍落ちも経験。終盤には25打席連続無安打を喫するなどシーズンを通して苦しんだ。

 このため、巨人首脳陣からは「丸の後継者となる中堅手育成が喫緊の課題」との声が上がり始め、白羽の矢が立ったのが、大型ルーキーとして注目を集めていた秋広選手。もちろん、チームの外野手には、育成出身で昨シーズンに27試合連続安打を記録した松原聖弥選手などの生え抜きもいるが、松原ももう27歳。球界では決して若いとは言えない年齢にさしかかっている。チームとしては、外野守備の中心となる中堅には、長年にわたりチームを支えられる絶対的なレギュラーを確保したい思惑があるようだ。

「当初、秋広は高身長を活かし、一塁手として一軍の出場機会を増やそうという考えもあったが、首脳陣は秋広選手を中堅手として育てていくことに決めたようです。現に、今シーズンに向けた練習では、引退したばかりの亀井善行・外野守備兼走塁コーチがつきっきりで守備の指導を行う姿もみられました」

 とスポーツ紙記者。選手登録としては、「内野手」のままだが、チームとしては大型中堅手としての成長を期待しているというのだ。2シーズン目を迎えた今季からは、偉大な巨人中堅手OBの松井秀喜さんがつけていた背番号「55」を背負うこととなり、球団の期待の大きさも窺える。

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