二夜連続の生放送がウリだったのに……日テレ「午前0時の森」はなぜいきなり躓いたのか

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なぜこのキャスティング?

 前出の関係者は言う。

「劇団ひとりの言う通り、制作スタッフはまだ経験も浅い日テレの若手社員でした。かつて日テレは深夜に、『EXテレビ』や『11PM』など人気の生ワイドショーを放送していました。このような番組を制作した社員スタッフは今、出世して役員になっています。ですから今回のような、時代とマッチするとも思えない番組企画が通ってしまったという声も聞こえてきます」

――初回は、ゲストのMCも登場せず、村上と劇団ひとりのトーク番組になってしまった。トークのテーマが与えられたが、それを無視して番組への不信をぶつけた。

ひとり:たった2人でくっちゃべるのを放送してくれるのはありがたいけど……。それってさ、「パペポ」とか「ガキ使」とか、名実ともにスゴイ人がやることでしょ。ただしゃべるだけなんて、なんでそんなに信用してくれてんの?

――言うまでもないが、笑福亭鶴瓶と上岡龍太郎の「鶴瓶上岡パペポTV」(日テレ/読売テレビ制作)と「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」(日テレ)のことだ。

村上:どこでどう変わってこのキャスティングやというね。マーケティング間違えたんじゃないの?

ひとり:もっと向いてる人いると思うんだ。

 前出の関係者にキャスティングのウラを聞いた。

困ったときの……

「そもそもこの枠が空いたのは、『月曜から夜ふかし』を月曜夜10時に格上げし、さらに火曜は『超無敵クラス』を日曜昼に引っ越しさせたからです。2日続けて深夜の1時間が空いたにもかかわらず、最適な番組企画が決まらなかった。そこで付け焼き刃の企画が通ってしまったのですが、日テレとしてはジャニーズ事務所のタレントをブッキングしたかったため、『月曜から~』のレギュラーだった村上をひとまずキャスティングしたのです。そしてもう1人、テレビ業界では“困ったときの劇団ひとり”との異名を持つ、器用に番組を盛り上げ、不要になったら切ることもできる、劇団ひとりに白羽の矢が立ったのです」

 劇団ひとりは、その気配を察した上でのボヤキだったのかもしれない。

 ちなみに翌12日火曜担当のス―パーアシスタントには、若林正恭(オードリー)と水卜麻美アナが登場した。若林の第一声は以下の通りだった。

若林:いやー始まりましたね。俺、新番組始まる前に、こんなに謝られたことないわ、偉い人たちに。

「日テレは数年ぶりの大改編と称して、急遽『月曜から夜ふかし』と『超無敵クラス』を昇格させましたが、その結果がこれです。若手スタッフだけで番組を作らせるほど、コンテンツ不足、企画不足となっているわけです。若者はスマホやゲーム、サブスクなど、可処分時間の奪い合いの中、こんな番組はなかなか見てくれないと思いますね」

デイリー新潮編集部

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