新庄ビッグボスのヤバい采配3つ 評論家が指摘する「勝てないことより余程気になること」とは
昨年と戦力は同じ
2022年のパリーグは143試合。もし今のペースで日ハムが負け続けると、90敗といった数字も導き出される。
「極端なケースとはいえ、あり得ない数字ではありません。1961年のパ・リーグでは、近鉄バファローが140試合で103敗を記録しました。優勝した南海ホークスとのゲーム差は51・5という、もの凄い数字が残っています。ちなみにワースト2位は1955年のセ・リーグで、大洋ホエールズが130試合で99敗、3位は同じく1955年のパ・リーグで、トンボユニオンズが141試で98敗、翌1956年にもトンボから改名した高橋ユニオンズが154試合で98敗しました。こうした記録はセリーグで阪神の負けが込んでいるため、最近になって注目を集めています」(同・記者)
野球解説者の広澤克実氏は、「プロ野球ファンの間では日ハムの戦力が話題ですが、昨シーズンに比べて著しく弱くなったわけではありません」と言う。
「昨年8月には中田翔くん(32)が巨人に移籍。12月には西川遥輝くん(29=楽天)と大田泰示くん(31=DeNA)が自由契約になりました。戦力ダウンのイメージを持つファンも少なくないかもしれませんが、3人は打てていませんでした。つまり、新庄監督の力量を判断する材料としては、昨季のチーム成績を参考にして問題ないのです」
野村監督は育成に成功
2021年の日ハムは55勝68敗22分で、借金は13という成績だった。大まかな見取り図として、今シーズンが終了した際、借金が13より少なければ、選手や新庄監督は評価されることになる。
逆に借金が増えていれば、指揮官として責任を負う新庄監督の評価は下がるはずだ。しかし、チーム事情によっては、「今年は勝ち負けより育成を優先」という考えで臨んでも不思議ではない。
「野村克也さん(1935〜2020)が楽天の監督を務めていた時期が参考になると思います。球団が創設された2005年に38勝97敗1分、借金59という大敗を喫したチームを引き継いだ野村監督は、まずは育成を最優先にしました。その結果、06年は47勝85敗4分、借金38と低迷してしまいましたが、07年は67勝75敗2分で借金8とチームの強化に成功。08年は65勝76敗3分で借金11でしたが、09年は77勝66敗1分、貯金11と勝ち越しを決めたのです」(同・広澤氏)
広澤氏は「今の日ハムで気になる点は成績ではありません。チームの根本方針が見えないことです」と言う。
「『100敗してもいいから育成を重視する』というわけでもなさそうですし、『現状の戦力でとにかく勝ちに行く』という姿勢が伝わってくるわけでもありません。新庄監督はどういうチームにしたいのか、なかなかビジョンが伝わってきません」
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