立民の支持母体「連合」が自公と連携する可能性 「参院選後に検討」と意味深な発言
約700万人の組合員を擁し、立憲民主党と国民民主党の支持母体として知られる連合。昨年10月に初の女性会長に就任した芳野友子氏が目下、頭を抱えるのは、立民や国民民主ではなく、自民党との距離感なのだという。
政治部記者の解説。
「芳野氏については、今年2月に自民党の小渕優子組織運動本部長と、3月には麻生太郎副総裁と、それぞれ“極秘会食”していた事実が立て続けに報道されました。ただ、連合会長と自民党との意見交換は歴代行われてきたこと。芳野氏も“なぜか自分だけセンセーショナルに報じられる”と困り顔だそうで」
そんな芳野氏を巡っては、ある発言が新たに話題を呼んでいる。
「3月23日、都内で開かれた政治解説者の篠原文也氏が主宰する『直撃!ニッポン塾』の月例会に芳野氏が呼ばれた際のこと。自公政権との連携の可能性を問われた芳野氏が“(与党との協力関係という選択肢は)参院選後の総括の中で検討します”と踏み込んだ答えをしたのです」(同)
発言は「苦し紛れ」?
自公との協力関係も排除せず。そんなふうにも聞こえる芳野氏のこの発言。
「苦し紛れだったのでは」
と語るのは、発言を引き出した篠原文也氏である。
「連合は1989年の発足以来、政権交代可能な受け皿を作るという路線をとってきました。ところが、昨今の立民と国民民主をみるに、政権交代は当面起こりそうもない。ならば、自分たちの政策実現のために与党と協議することも選択肢の一つに入れる必要があるはずです。ただ、芳野さんからすれば、この点は一番突かれたくないデリケートなところ。終始私の質問をかわそうとしていましたが、最後にそう言わざるを得なかったのでしょう」(同)
今年の参院選では昨秋の衆院選以上の苦戦が予想される立憲民主党。連合の与党接近には、立民大敗の戦犯とされるリスクも付きまとう。
もっとも、連合関係者らは芳野氏のそんな苦悩にも冷ややかだ。いわく、
「芳野氏が会長に就任したのは、連合事務局長だったトヨタ出身の相原康伸氏など主要候補が次々と流れたためで、いわば次善の人選。彼女も副会長の経験はありますが、集会のラストに壇上で『頑張ろう!』と拳を振り上げるだけの“頑張ろう要員”と揶揄する声もあったくらい。彼女に重い決断ができるかどうか」
難局を打開できるか。