〈マイファミリー〉早くも気になる“犯人は誰なのか” 候補者を具体的にあげると――
TBS「日曜劇場 マイファミリー」(日曜午後9時)が話題だ。二宮和也(38)が演じるゲームアプリ開発会社CEOの鳴沢温人と、多部未華子(33)扮する妻の未知留の愛娘・友果(大島美優)がさらわれた。犯人は誰なのか。夫妻は警察に頼らず、自分たちで友果を取り戻そうとするが、成功するのか。
多くの人に観られていても不思議と貶されがちな「日曜劇場」。民放ドラマ界の横綱と目されて、完璧を求められるせいか。「マイファミリー」の第1話の世帯視聴率も12.6%(個人7.6%)と高水準。非公表のコア視聴率(13歳~49歳)も日曜午後9時台で断トツのトップを記録した(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
物語を簡単に振り返りたい。主人公・鳴沢温人(二宮)は有名ゲームアプリ開発会社「ハルカナ・オンライン・ゲームズ」のトップだが、偽りの成功者だった。
ニュース番組のコメンテーターも務め、家庭を持つことの素晴らしさを得意げに説くものの、自分の家庭は崩壊寸前。妻の美知留(多部)にも小6の娘・友果(大島)にも嫌われていた。仕事を言い訳にして妻と子供を顧みなかったからだ。
鎌倉市内に豪邸を構え、典型的なリッチマンのように思われているが、これも怪しい。会社の主力ゲーム「リビットウォーカー(ribbit walker=カエルの鳴き声が歩く)」の売り上げは下落一途。メインバンクが融資を停止したら、たちまち倒産する。
温人は成功者という仮面を付けて生きてきた。けれど、第1話の終盤で、それをかなぐり捨てる。なりふり構わず土下座し、額を地べたにすり付けた。友果を誘拐した犯人が、スマホを通じ、取り引き終了を通告してきたからだ。
「お願いだから友果を殺さないでくれ。何でもする。お願いします。友果を返してください。お願いします、お願いします、お願いします……」
これが温人という男の真実なのだろう。誘拐事件によって本当に一番大切なものが友果であり、家族であることに気づいた。
犯人が取引中止を通告してきたのは温人が身代金5億円の受け渡し場所として指定した友果の思い出の地を知らなかったから。友果の小1時の遠足先である。横浜の野毛山公園だ。友果との時間を大切にしていたら分かっているはずだった。さらに、犯人の当初からの要求に反し、警察を介入させたためだ。
温人は犯人側が取引再開の条件として出してきた警察排除という要求を飲み、美知留と2人で友果の奪還に向けて戦い始める。親が子のために奮闘するというドラマはよくあるが、夫妻で誘拐犯に立ち向かうというのは異色で面白い。
現段階では犯人も動機も分からない。もっとも、温人が無理をすれば身代金5億円を用意できると踏んでいたり、鳴沢夫婦の生活圏を知っていたりすることから、2人に近い人物だろう。
それは夫妻のケアを担当する特殊犯罪対策係のリーダー、葛城圭史・神奈川県警捜査1課特殊犯対策係補佐(玉木宏)の言葉からも分かる。
「犯人は入念な計画を立てています。準備の段階でご家族の誰かと接触していた可能性も考えられます」(葛城)
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