“地獄の東部戦線”でプーチンは窮地に立たされる 鍵を握るウクライナへの武器供与リスト
重火器にミサイル、ヘリコプターのラインナップ
スロバキアも旧ソ連製の地対空ミサイルS300をウクライナに供与したばかりだ。
「戦闘機や巡航ミサイルを撃墜する能力を備えた兵器で、もともとウクライナ軍も保有していたもの。両軍とも航空優勢(制空権)を掌握できていない状況にあるなか、ウクライナ軍にとっては防空能力の向上に資すると期待されています」(同)
ウクライナへの軍事物資の最大の支援国はアメリカである。バイデン政権は13日、1000億円相当の追加軍事支援を発表し、砲弾や重火器、装甲兵員輸送車(APC)などに加え、旧ソ連製の軍用ヘリコプター「Mi17」を供与することも表明。
すでにアメリカは地対空ミサイル「スティンガー」を1400基以上、対戦車ミサイル「ジャベリン」5000基以上の供与を決定している。いずれもロシア軍の戦車や補給車両の破壊、軍用機などの撃墜に貢献し、ウクライナ軍の善戦を支えた兵器だ。
そして現在、さらなる最新兵器の投入も検討されている。
ロシア戦車部隊を狙う“カミカゼドローン”
なかでも期待されているのが“カミカゼドローン”と呼ばれる、弾頭を搭載した自爆型無人攻撃機「スイッチブレード」だ。
「スイッチブレードには小型の300型と大型の600型があり、アメリカはすでに300型を数百機、ウクライナに供与済みです。300型は重さ2・5キロで兵士が背負って持ち運べる機動性が利点。しかし搭載する爆弾が手榴弾程度と小さく、装甲車や堅牢な構造の標的は破壊できないという弱点がありました」(同)
そこでバイデン政権は600型の供与も検討中と伝えられ、実現すればウクラナイの地上部隊の攻撃力は跳ね上がるという。
「600型は発射後、40分ほど飛行できるので遠くの対象も攻撃できる。さらに装甲車も破壊できる対装甲爆弾を搭載しているので、300型とは比べものにならない破壊力を持ちます。スイッチブレードは機体搭載のカメラから手元の端末に標的が映し出される仕組みのため、対象を正確に捕捉することもできます」(同)
ジャベリンなどと組み合わせれば、ロシアの戦車部隊に大打撃を与え、敗走させることも可能という。
「米欧からの武器供与のレベルが上がれば、ウクライナ軍はロシア軍と互角に戦える可能性が出てきます。ある程度は長期戦を覚悟しなければなりませんが、少なくともウクライナの敗北は避けられるでしょう」(同)
戦闘が長引けば、それだけプーチン政権の崩壊は近づく。大きな戦果を挙げずとも、膠着状態となるだけで、おのずとウクライナの勝利は見えてくる。
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