「空の大怪獣ラドン」のセットを完全再現! 円谷英二を支えた特撮職人の生誕100年展が開催

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「図面を引くのに1カ月」

 井上氏の“後継者”であり、今回、冒頭のミニチュアの再現を担当した三池敏夫氏によると、

「僕が井上さんと出会ったのは84年のこと。『怪獣総進撃』(68年)を観て育った僕は、本当にリアルなミニチュアセットを作り上げる人だなと思っていました。今回、当時と同じようにパソコンではなく、鉛筆で図面を引くのに1カ月。図面を作る際に斜めから撮影した写真だと歪むので、実寸大に修正しながら作業するのですが、曲線や電線部分などの細かい作業は上手くいかず大変でした」

 作品のワンシーンごとに、CG全盛の現代では想像もつかないほどの時間と労力が注がれていたのである。

撮影・福田正紀

週刊新潮 2022年4月14日号掲載

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