「円神話崩壊」で「ドル建て商品」はアリ? 家計危機を乗り切るための資産防衛術
どう節約する?
先月発生した福島沖地震でも、複数の火力発電所が稼働できなくなったことで需給が逼迫。計画停電が取り沙汰されたが、このような発電所不足が常態化する恐れがあるというのだ。
再生エネルギーも頼りにならず、国会では与野党の議員から緊急避難的に原発再稼働を求める声も上がるが、安全性の確立と地元住民の理解が得られず、議論は膠着状態が続く。
「稼働できていれば東電管内の発電量を補う救世主だった柏崎刈羽原発では、杜撰なテロ対策や工事の不備などが相次いで露見し、再稼働の見通しが立たない状態。いったい東電はどこまで国民にツケを払わせるつもりなのかとの批判も免れないでしょう」(先のデスク)
第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏は、こう指摘する。
「日本経済にとって打撃なのは、円安よりも輸入品そのものの値上がりで、エネルギー価格の高騰が大きいこと。政府は業界団体への補助金で対応していますが、本来は国民の負担軽減を図るための減税や、省エネ推進の財政政策で対応すべきです。やはり原材料の高騰が問題ですから、一般家庭ではこれを機に電力とガスの自由化をうまく利用して料金を見直すことや、家電製品を国産の省エネ家電に買い替える。日常的に公共交通機関を使えるなら、いっそのこと車の利用を控えるだけでも節約が可能です」
「5月危機」の乗り切り方
岸田政権も電力会社も頼りにならないとあっては、さらなる自衛策が求められる。光熱費が最も上がる見通しの「5月危機」を、我々はどう乗り切ればいいのか。
一般社団法人エネルギー情報センターで理事を務める江田健二氏によると、
「どのご家庭でも、コロナで在宅が増え昼間でもパソコンやエアコンをつけっぱなしの生活が慣れっこになっていますよね。たとえば冷蔵庫やエアコンなどは最新の省エネ家電を使うだけで、10年前の製品と比べて年間で数千から数万円も電気代が安くなるケースがあります。また常時使っていないのにコンセントを差しっぱなしの電化製品などは、外すだけで年間1万円ほど安くなる。待機電力の削減は、オフィスを構える法人なら、なおのこと有効です」
加えて、電力自由化以降は大手電力各社以外の「新電力」、つまりは東京ガスなどのガス会社やENEOSなどガソリンスタンドを運営する企業、ドコモといった携帯各社などと電気を契約できる時代になった。
「ガスとセットで申し込めば基本料が安くなったり、携帯会社ならポイントが貯まるなどお得なプランもありますし、昼夜どちらかだけ使うと安かったりするなど、各家庭のニーズに合わせた選択肢が増えました。これまで節電といえば、とにかく電気を使わないことくらいしか方法がありませんでしたが、比較サイトなどで検討すれば、自分のライフスタイルに合った会社が見つかると思います」(同)
[4/4ページ]