新庄剛志監督も期待大…4年目「万波中正」を他球団はどう見ているか?
中学時代から評判の選手
「ビッグボス」こと新庄剛志監督を迎えて、3年連続のパ・リーグ5位からの巻き返しを狙うものの、ここまでは最下位に沈んでいる日本ハム。そんなチームにあって、浮上への“起爆剤”として期待される若手選手が、高卒4年目の万波中正である。【西尾典文/野球ライター】
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昨年は一軍で49試合に出場して25安打、5本塁打をマーク。さらに、今年のオープン戦では、トップの岡本和真(巨人)に次ぐ、5本塁打を放ち、初の開幕一軍を勝ち取った。シーズン開幕後は、打率1割台前半と苦しんでいるが、放った4安打のうち2本がホームランと、その長打力にかかる期待は大きい(※成績は4月13日終了時点)。
そんな万波はコンゴ人の父を持つが、生まれも育ちも東京都である。中学時代は、強豪の東練馬リトルシニアでプレー。当時から中学野球界では評判の選手で、筆者もその存在を当時から知っていたほどだ。
初めてプレーを見たのは、2015年8月3日に神宮球場で行われたリトルシニア日本選手権の準決勝、対江戸川中央リトルシニア戦だった。この試合、万波は6番ピッチャーで先発出場。前々日に7回を完投している疲れもあってか見るからに本調子ではなく、3回に7安打を集中されて一挙5点を失い、チームは2対9で敗れたものの、ストレートの最速は135キロをマークしている。また、打者としても、第1打席に鋭い当たりのレフトライナーを放ち、存在感を示していた。
粗削りな“天然素材”
そして何よりもひと際、目を引いたのが体つきである。身長は190cmで、他の選手と比べて頭一つ抜けており、とても中学生とは思えない体格を誇っていた。
「毎年、中学生でも身長が高い選手はいますが、万波くんは特に目立っていましたね。上背があるだけでなくて、体つきもしっかりしていて、高校生と比べても遜色ないほどでした。また、運動能力の高さにも驚かされましたね。走る姿を見ても、バネが抜群だし、肩も凄く強かった。バッティングでは、バットの芯でとらえた時の打球は、どこまで飛んでいきそうな勢いでした。投げるのも打つのも、粗削りでしたが、とにかく“天然素材”という感じでした。横浜高校さんは、かなり早い段階から、(スカウトに)熱心だったようですね」(関東地区の硬式クラブチームを率いる指導者)
この指導者が語るように、中学卒業後は、全国きっての強豪である横浜高校に進学する。それが明らかになった時は、ネットニュースで取り上げられるほど、野球ファンの注目を集めていた。
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